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「時計台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時計台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
んのんどう》の前に無数の鳩《はと》の飛ぶ浅草《あさくさ》である。あるいはまた高い時計台の下に鉄道馬車の通る銀座である。それらの風景に比べると、この家々だの水路だ....
星座」より 著者:有島武郎
う長い詩のその冒頭に掲げられた有名な鐘銘《しょうめい》に眼がとまると、園はここの時計台の鐘の銘をも知りたいと思った。ふと見ると高さ二尺ほどの鐘はすぐ眼の先に塵ま....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
るい町の方へ誘うようだった。その左手の叡山には、ケーブルの点々と続いた灯が大学の時計台の灯よりもキラキラと光って輝いていた。校庭の桜の木は既に花が散り尽し、若葉....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
様だ、大きな建物の中で目ぼしいのは其の玄関に立って居る古塔で有る。此の塔が英国で時計台の元祖だと云う事で、塔の半腹《なかほど》、地から八十尺も上の辺に奇妙な大時....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
異様な悲鳴が、突然に闇を破って聞えた。どうやら向うの通らしい。途端に向うに見える時計台から、ボーン、ボーンと十一時を知らせる寝ぼけたような音が響いて来た。――あ....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
果ててしまった。散歩者の胸の中から心臓を掏り盗る技術も持っているし、一夜のうちに時計台を攫っていってしまう特技もある怪賊烏啼にとって、天下に困ることは一つもない....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
ぶる変った賊でございまして、変った物ばかり盗んで行くのです。建物から一夜のうちに時計台を盗んでいったり、科学博物館から剥製の河馬の首を盗んでいったり、また大いに....
時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
にかこまれた邸で、まん中に二階づくりの西洋館があり、そして正面にはりだして古風な時計台がそびえているのだった。 その時計台も洋館も、昔からあれはてていて、例の....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
友人と話しながらこの前を通ることがあります。 それから心斎橋筋を通ると二、三の時計台が目につく。その中でも一番古風そのままで遺っているのは東側にあるものです。....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
さ、お前さん、」 と低いが壁天井に、目を上げつつ、 「角海老に似ていましょう、時計台のあった頃の、……ちょっと、当世ビルジングの御前様に対して、こういっては相....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
マストや舷頭に点されている眠そうな青い光芒も、今は光さえ弱って見えた。どこやらの時計台で幽かに午後九時の時刻を報じている。 支那船の中の一団は依然として静かで....
天衣無縫」より 著者:織田作之助
だろうと、ふらふらと暖簾をくぐり、そして簡単に恥をかかされて、外に出ると、大学の時計台が見え、もう約束の二時間は経っているのだった。いつものことなのだそうだ。 ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
四ツ谷の方、あれから下谷へ駆けて来た途中、お茶の水から外神田へ曲ろうという、角の時計台の見える処で、鉄道馬車の線路を横に切れようとする発奮に、荷車へ突当って、片....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
とそういうような話で、その刻限は恰かもその向うに見ゆる学士会院の屋上に聳えている時計台の時計が二時を報ずる所謂丑満刻で、こういうことは東西その軌を一にするのかも....
青い時計台」より 著者:小川未明
た。 さよ子はその街の中を歩いてきますと、目の前に高い建物がありました。それは時計台で、塔の上に大きな時計があって、その時計のガラスに月の光がさして、その時計....