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「時間外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

時間外の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
て生まれた彼女の気質としか思われなかった。わたしはそこに気安さを感じ、時々彼女を時間外にもポオズをつづけて貰ったりした。けれども何かの拍子《ひょうし》には目さえ....
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
這うようにして荻窪の郵便局へたどりついて一刻争う電報たのんだところ、いまはすでに時間外、規定の時を七分すぎて居ります。料金倍額いただきましょう。私はたと困惑、濡....
明暗」より 著者:夏目漱石
足も沓脱《くつぬぎ》の上に見出《みいだ》さなかった。患者の影は無論の事であった。時間外という考えを少しも頭の中に入れていなかった彼女には、それがいかにも不思議で....
動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
に、灰色の大きなオーバーを着た恰幅のいい船長級の男が、砲手の募集にやって来たが、時間外で合宿所のほうへ廻ると、そこにゴロゴロしていた失業海員の中から、砲手を一人....
ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
働法がものを云うんだ。山また山の雪の中だが日本人もロシア人なみに八時間労働制だ。時間外労働は二時間ずつ一区切りで割ましがついた。ここでだけは、病気、怪我で休んで....
道標」より 著者:宮本百合子
ラの見すぼらしい姿を、伸子は可哀そうに思った。ソヴェトの家事労働者組合では、契約時間外の労働には一時間についていくらと割増を主人が支払うことをきめている。そんな....
一坪館」より 著者:海野十三
がえちゃったな」 「そうだろう。むかし、夜おそく君んところの店をたたきおこして、時間外に、酒やかんづめを出してもらったときの、のんべえのヘーイさんとは、すこし服....
ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
れば交替時間ですから、みなさんいらっしゃると思うわ」 「ああ、そうか。僕は修理で時間外に働いたから早く終《しま》ってでてきたんだ」 「どこを直していらっしたの」....
「ラジオ黄金時代」の底潮」より 著者:宮本百合子
率は上向きだと云っても、工場に働いている人々の賃銀の上昇には残業割増、歩増などの時間外労働強化がついているのであるし、小売物価の急激な騰貴は結局、いくらかましな....
猫捨坂」より 著者:豊島与志雄
らしい。 病室は四畳半。次の六畳に、姉の夫と二人の子供とが寝る。夫はその職場に時間外の居残り勤務までやって、一家の生活費を一人で稼ぎ出さねばならない。母が病臥....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
気候はしばしば蒸し暑くなる上に、煉瓦づくりの家の数が少ないので、唯一の特典として時間外に働くことを許可されているが、それでもありがたくないことには、時どきに気候....
魔都」より 著者:久生十蘭
ばし微睡《まどろ》みかける時がある。さる外国の作家は、こういう時刻を「|大都会の時間外《オオル・ドウール・ド・グラン・ヴィル》」といった。三時から卅分ほどの間、....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
の低い時には需要の状態は通常の労働時間だけ働くことを許さないが、価格の高い時には時間外労働を許すということが、時には起るからである。 同じ原因により時には農業....
動物園の一夜」より 著者:平林初之輔
と言ってごまかしたらよいものだろう? 私は法律の知識はないが、ことによると、規定時間外に、こうした公営物の中に潜伏している者は、重い罪になるのかも知れぬ。そんな....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うのです。その余は誰が行っても逢わしてくれない。巌窟の外に垣のようなものがあって時間外は締め切ってあるからどうしても逢われない。ところが時間になるとその方が巌窟....