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晏然
「晏然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晏然の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
は後で考えた――ぽろぽろと流しながら、「そんなことを! 僕の罪を君に委せて、僕が
晏然《あんぜん》と澄ましておれるものか、僕はそれほど卑屈な人間ではない。さあ一刻....
「連環記」より 著者:幸田露伴
の冬には寂照が日本に居無かったかと思われるから。 長徳でも長保でもよい、寂心は
晏然として死んだのである。勿論俗界の仕事師ではなかったから、大した事跡は遺さなか....
「新疆所感」より 著者:日野強
注して、その勢力扶植の策を講じつつあるにおいてをや。おしいかな清国いまだ悟らず、
晏然(あんぜん)長夜の昏睡中にあること。 さらに転じて西南の境土を望めば、崑崙....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
にして、傍の岩に痩せた身体を凭せかけたまま、さながら無言の行とでも云いそうな形で
晏然と坐っていた。生きているのか、死んでいるのか、眠っているのか、起きているのか....
「道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
に彼が唯一の保護者とも申すべき称徳天皇崩御後までも、彼は自衛の道を講ずる事なく、
晏然陵下に廬を結んでこれに仕え奉り、今に諸臣が皇嗣として自分を迎えに来るであろう....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に従うに忍びない事情がある。その忍びない事を実行せずして日本に帰ったからといって
晏然として居られるものでない。たとい世界に対する義務を尽しても、自分が自分に対す....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
らしい。 智行僧のことはしばらく措く。浄行僧島に流された一方には、妻子を有して
晏然たる法師の存在もまた認められていたのである。そして自分のいわゆる俗法師の徒は....