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晒し
「晒し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晒しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
どし》をしめたことがないから、晒《さら》し木綿《もめん》を六尺買わせて下さい。」
晒し木綿を手に入れることはわざわざ近所の呉服屋へお松を買いにやるまでもなかった。....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。その話を聴いて庄太はあざわらった。 「馬鹿な奴だな、若けえ者のくせに飛んだ業
晒しだ」 「これからどうするんですね」と、半七は訊いた。 鶏をぬすんだ罪人の仕....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
人ともに大熱を発して牢死してしまいましたので、その死骸は塩詰めにして日本橋に三日
晒しの上、千住で磔刑に行なわれました」....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
入って白状しました。善昌は無論に獄門です。覚光も一旦は入牢申し付けられ、日本橋に
晒しの上で追放になりました。 そこで、問題の蝶合戦ですが、善昌も覚光という相手....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
そばに屋敷を構えている六百五十石取りの旗本、小栗昌之助の表門前に、若い女の生首が
晒してありました。女は年ごろ二十二、三で、顔にうす痘痕はあるが垢抜けのしたいい女....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
たりから頽れて来るのもあった。腰のぬけたのもあった。こうして惨めな、みにくい姿を
晒しながら、黒い眼玉ばかりを形見に残して、かれらの白いかげは大江戸の巷から一つ一....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
っているに心づき、思わず念がはいって見ておったのである。 「こんな立派な建築を雨
晒しにして置くはひどいなあ、近郷に人のない証拠だ、この郡の恥辱だ、随分思い切った....
「渾沌未分」より 著者:岡本かの子
明といえば永遠な黎明、黄昏といえば永遠に黄昏の世界だった。陸上の生活力を一度死に
晒し、実際の影響力を鞣してしまい、幻に溶かしている世界だった。すべての色彩と形が....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
こそこそと崖の途中の汚水の溜りまで登って、そこで蹲った。彼は三十前なのに大分老い
晒した人のような身体つきや動作になっていた。二人の婦人が大分前から話しつづけてい....
「河明り」より 著者:岡本かの子
横たえ、その上に、家五六軒だけしか対岸に見せない利根川の佐原の宿、干瓢を干すその
晒した色と、その
晒した匂いとが、寂しい眠りを誘う宇都宮の田川の宿――その他川の名....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
帽子をかぶったのであるが、帽子をかぶらない生徒が七割であって、大抵は炎天にも頭を
晒してあるいていた。袴をはいている者も少なかった。商家の子どもは前垂れをかけてい....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
ともに長い刀を一本打ち込んで、一人はこれ見よがしの唐犬びたいをうららかな日の光に
晒していた。一人はほうろく頭巾をかぶっていた。彼等は今はいって来た三人の客をじろ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
は武士らしい、あっぱれ華々しい最期ともあることか、犬猫にも劣った見苦しい死に恥を
晒して、屍は野末に捨てらりょうぞ。」 半分は夢のような心持で聴き惚れていた小坂....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
く小刻につかつかと踵を返した。 鳳仙花の咲いた処でぬっと出て来たのは玄関番、洗
晒した筒袖の浴衣に、白地棒縞の袴を穿いた、見知越の書生で、 (やあ、貴女でありま....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
画は椿岳の名物の一つに数えられていたが、惜しい哉羽目板だから破損したかあるいは雨
晒しになって散三になってしまったろう。幸い無事に保存されていても今戸は震害地だっ....