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晦
「晦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
である。
すると天保《てんぽう》十年頃意外にも服部平四郎は突然|往《ゆ》くえを
晦《くら》ましてしまった。もっともこれは伝吉につけ狙《ねら》われていることを知っ....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
見じめにした。玄鶴はいつか眠ることにも恐怖に近い不安を感ずるようになった。
大
晦日《おおみそか》もそろそろ近づいた或午後、玄鶴は仰向《あおむ》けに横たわったな....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
日本《にっぽん》の空には見られません。わたしもちょうどああ云うように日本では姿を
晦《くら》ませていないと、今夜「みさ」を願いに来た、「ぽうろ」の魂のためにもすま....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
に咫尺《しせき》することを避けなければならぬ。しかし今は幸いにも無事に如来の目を
晦《くら》ませ、――尼提ははっとして立ちどまった。如来はいつか彼の向うに威厳のあ....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
――それさえ痛切には感じた訣《わけ》ではない。保吉は現に売店の猫が二三日行くえを
晦《くら》ました時にも、全然変りのない寂しさを感じた。もし鎮守府司令長官も頓死《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
に浮べながら、
「美人か――ありゃ僕の――まあ好いや。」と、思わせぶりな返事に韜
晦《とうかい》してしまった。
「一体どこへ行ったんだ?」
「ありゃ僕の――」に辟....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
がら、未《いまだ》に汀《なぎさ》の砂を去らなかった。彼の心は頭上の空より、さらに
晦濛《かいもう》の底へ沈んでいた。そこには穢《けが》れ果てた自己に対する、憤懣《....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
―これはこの『それだけだ』と言う言葉の最も著しい特色であります。顕《けん》にして
晦《かい》、肯定にして否定とは正に『それだけだ』の謂《いい》でありましょう。
「....
「或る女」より 著者:有島武郎
丸の事務長は、先ごろ米国航路に勤務中、かつて木部孤※に嫁《か》してほどもなく姿を
晦《くら》ましたる莫連《ばくれん》女某が一等船客として乗り込みいたるをそそのかし....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
アテンに在住していた哲学者らは、狂信的な多数者の迫害を避けるために、自分の所説に
晦渋の衣を覆っていたものらしい。 エムペドクレスとアナキサゴラスの次にデモクリ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
中は寂しいね、一杯おつぎよ、満々と。しんしと聞いていい許の息子かは慌て過ぎる、大
晦日に財布を落したようだ。簇だよ、張物に使う。……押を強く張る事経師屋以上でね。....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
。 はい、いつもまあこうやって、大神宮様のお庇で、繁昌をいたしまするが、旧の大
晦日と申しますと、諸国の講中、道者、行者の衆、京、大阪は申すに及びませぬ、夜一夜....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
。参詣が果てると雑煮を祝って、すぐにお正月が来るのであったが、これはいつまでも大
晦日で、餅どころか、袂に、煎餅も、榧の実もない。 一寺に北辰妙見宮のまします堂....
「まあまあ居士の弁」より 著者:浅沼稲次郎
の手入というのがあって第一次共産党事件の検挙が行われた。此の時には佐野教授が姿を
晦ましてしまったので、学生のおどろきは相当なものがあった。此の共産党事件に佐野教....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
なった。 昭和十六年一月十四日閣議決定の発表に「肇国の精神に反し、皇国の主権を
晦冥ならしむる虞あるが如き国家連合理論等は之を許さず」との文句がある。興亜院当局....