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晩婚
「晩婚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩婚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
、一言、彼女と夫十四郎との関係を記しておきたいと思う。 その二人は、同じながら
晩婚であって、滝人は二十六まで処女で過し、また十四郎は、土木工学の秀才として三十....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
かいり》の鉄砲玉を二袋買って来て、そら鉄砲玉と云って、小供にやる。倅《せがれ》が
晩婚なので小供は六つと四つである。 倅と相談をした翌日、老人は桐の箱を風呂敷《....
「私の母」より 著者:堺利彦
うに、母は三十六、七歳の時、堺家にとついだものだろう。 かように母はずいぶんの
晩婚であった。それには理由がある。もっとも、そんなことは、私が大人《おとな》にな....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
という武蔵野の中を選んで、別荘風の住宅を建てた。それから結婚した。 「ずいぶん、
晩婚なんです。父と母は二十以上も年齢が違うのです。父はそのときもう五十以上ですか....
「陳宝祠」より 著者:田中貢太郎
そうに言ったが、杜陽は不安だから俯向いていた。 「君は家の女と夙縁があるから、今
晩婚礼しなくてはならないよ」 杜陽は恐ろしかった。 「何も心配することはないよ....
「浴槽の花嫁」より 著者:牧逸馬
の生活を守っていた。しかし、ベシイ・マンディも女性なのだし、それに、三十三なら、
晩婚の女の多いイギリスあたりではそんなに老嬢《オウルド・ミス》の組でもないので、....
「字で書いた漫画」より 著者:谷譲次
だまだ転がっていたので、男たちは金儲けに夢中になった結果「疲れたる企業家」はみな
晩婚で、したがって細君には子供みたいに年のちがうのが多い。だから、「男の事業」「....
「淪落の青春」より 著者:坂口安吾
女中に手をだすようなことは、ありふれたことであった。この山間の農地は、農家の娘は
晩婚で、二十六七が婚期で、たいがい一度は女工にでたり、都会へ女中奉公にでてきたり....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
も結婚の慾求などはなかつたのだが、生めよふやせよといふ時代思想で、十九などはもう
晩婚の御時世であり、家も焼け会社も焼け、一家は田舎へ疎開といふ時に、なんとなく疎....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
入ができないのである。転入ができたところで、彼の今の給料では生活ができない。彼は
晩婚であったから、長男はまだ十九だが、上の学校へもあげられず、女房の実家で畑を耕....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
な制度の起源を、吾々はこれらの人民の中に見る。食人、男子の去勢、女子の陰部封鎖、
晩婚、処女の奉献、独身の称揚、余りに若く母となる少女に対し行われる処罰等がこれで....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
り、もしこれを採用しなければ餓死するということになるであろう。従って結婚は極めて
晩婚となるので、啻に年々の結婚数が全人口に対比して小となるばかりでなく、また各個....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
口増加率を緩慢にすることが明かに必要である。しかしかくて必要となった抑制を行い、
晩婚するか独身で終るかするのは一体誰であろう。平等主義の必然的結果として、人類の....
「環礁」より 著者:中島敦
地の役所に戻ることは、到底|覚束無《おぼつかな》い。 H氏も最近偶然結婚(随分
晩婚だが)の話がまとまり、東京に落着くこととなった。もちろん、南洋土俗研究に一生....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
歳位に至る間に行うです。稀には早婚の者もあって十五、六歳で結婚する者もある。また
晩婚の者があって三十歳以後にやる者もある。しかしそれらは例外で普通は前にいうたと....