晩稲[語句情報] »
晩稲
「晩稲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩稲の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
子のくるのを待った。ここから見おろすと少しの田圃《たんぼ》がある。色よく黄ばんだ
晩稲《おくて》に露をおんで、シットリと打伏した光景は、気のせいか殊に清々《すがす....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
。 今年の稲の出来は三、四年以来の作だ。三十俵つけ一まちにまとまった田に一草の
晩稲を作ってある。一株一握りにならないほど大株に肥えてる。穂の重みで一つらに中伏....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
く回った。野からは刈り稲を満載した車がいく台となくやって来る。寒くならないうちに
晩稲の収穫をすましてしまいたい、蕎麦も取ってしまいたい、麦も蒔いてしまいたい。百....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
短くなる。甘藷や里芋も掘って、土窖に蔵わねばならぬ。中稲も苅らねばならぬ。其内に
晩稲も苅らねばならぬ。でも、夏の戦闘に比べては、何を云っても最早しめたものである....
「泣虫小僧」より 著者:林芙美子
に若返って、娘のやりなおしみたい甘くなっちまってさ……」 「結局、早稲《わせ》も
晩稲《おくて》も駄目で、あンたみたいなのがいいってことでしょ」 「あら、厭だア、....
「遠野物語」より 著者:柳田国男
けたり。路傍に石塔の多きこと諸国その比を知らず。高処より展望すれば早稲まさに熟し
晩稲は花盛りにて水はことごとく落ちて川にあり。稲の色合いは種類によりてさまざまな....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
うと思う田に行って初鍬をいれ、三所に餅と神酒・洗米とを供えて、これを早稲・中稲・
晩稲の三通りに見立てて置く。そうして大きな声でオミサギ・オミサギと喚ぶと、直ぐに....