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「晩節〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

晩節の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
出稼ぎについては、これまでとても弟子たちの間に問題とされて来たことだ。どうかして晩節を全うするように、とは年老いた師匠のために半蔵らの願いとするところで、最初横....
瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
るを得ず。 当人の心事如何は知るに由なしとするも、左るにても惜しむべきは勝氏の晩節なり。江戸の開城その事|甚だ奇にして当局者の心事は解すべからずといえども、兎....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
蝶魂|冷澹秋花を抱く 飄零暫く寓す神仙の宅 禍乱早く離る夫婿の家 頼ひに舅姑の晩節を存するあり 欣然|寡を守つて生涯を送る 犬田小文吾 夜深うして劫....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
はばか》ること勿《なか》れ。若い時の事はどうもいたし方がない。人間の善悪はむしろ晩節にあるのだよ。」 鶴子は何か言おうとしたが、自分ながら声が顫《ふる》えはせ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、まったく社会からは忘れられている、富田入道|勢源の正しい道統をうけついで、その晩節をどこか辺鄙な田舎に送っている高純な士であるなどということはなおさら知らない....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
えの祖父は、二君に仕えぬ節操をもって、この野小屋にかくれ、おまえの父は、その人の晩節を全うさせるために、百姓に甘んじて、若い時代を、孝養に送り、そして、おまえを....
三国志」より 著者:吉川英治
の大旆は、為にまったく自己が覇権を握るための嘘言に過ぎなかったことを、その肝腎な晩節の時へきてみずから暴露していることだった。――英雄も老ゆればまた愚にかえるか....
随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
誰も知っている通りに、武蔵はその余生を熊本の城下に送り、当時の英主細川|忠利に晩節を捧げていた。武蔵と忠利の間がらは、本来単なる主人と家来というような関係では....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
うお人がこの悪たれと諧謔の大家なので、そんな中でちょいちょい揉まれるために、私の晩節もひどく粗野になってきたようだと、朱に交わる感化のいちじるしさに、われながら....
柳生月影抄」より 著者:吉川英治
のでしょう。それに柳生家は、剣の家です。醜い葛藤や術策や政争の中に、可惜、老後の晩節を台なしに遊ばしてしまわぬよう――十兵衛はそれを祈りまする」 「分っておる。....
落日の荘厳に似る」より 著者:吉川英治
ぞ、ときめてね』と、それを生涯通したらしい。こういう一徹一念は大観画譜の初期から晩節までをぴいんと曲折なくつらぬいているものである。 稀れには私の作品などを読....