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晩酌
「晩酌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩酌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
けれども新らしい着物などは誰一人滅多に造らなかった。父は常に客にも出されぬ悪酒の
晩酌に甘んじていた。母もやはり羽織の下にはぎだらけの帯を隠していた。信輔も――信....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
しょう》に吠《ほ》え立て始めたのだった。
「お前の犬好きにも呆《あき》れるぜ。」
晩酌《ばんしゃく》の膳についてからも、牧野はまだ忌々《いまいま》しそうに、じろじ....
「少年」より 著者:芥川竜之介
むしろ一生の幸福かも知れない。
三 死
これもその頃の話である。
晩酌《ばんしゃく》の膳《ぜん》に向った父は六兵衛《ろくべえ》の盞《さかずき》を手....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
別にどうも思ってはいません。まあ、偉い軍人でしょう。」
青年は老いた父の眼に、
晩酌《ばんしゃく》の酔《よい》を感じていた。
「それは偉い軍人だがね、閣下はまた....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
》けだ――を過ぎてから仁右衛門はいい酒機嫌で突然佐藤の戸口に現われた。佐藤の妻も
晩酌に酔いしれていた。与十と鼎座《ていざ》になって三人は囲炉裡をかこんでまた飲み....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
ずいぶん大酒家であった。しかしいつごろからか禁酒同様になって、わずかに薬代わりの
晩酌をするくらいに止まった。酒に酔った時の父は非常におもしろく、無邪気になって、....
「星座」より 著者:有島武郎
々しさとの不調和さが、渡瀬を妙に調子づかせた。
「飲めないことがあるものか、始終
晩酌の御相伴《ごしょうばん》はやっているくせに」
「じゃそれで一杯いただくわ」
....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
った父様《おとっさん》に代《かわ》って、一説法《ひとせっぽう》せにゃならん。例の
晩酌《ばんしゃく》の時と言うとはじまって、貴下《あなた》が殊《こと》の外《ほか》....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
だけがとぎれとぎれに風に送られて伝わって来る。 「おらはあ寝まるぞ」 わずかな
晩酌に昼間の疲労を存分に発して、目をとろんこにした君の父上が、まず囲炉裏のそばに....
「親子」より 著者:有島武郎
その晩父は、東京を発った時以来何処に忘れて来たかと思うような笑い顔を取りもどして
晩酌を傾けた。そこに行くとあまり融通のきかない監督では物足らない風で、彼を対手に....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
やさかい厭になってしまう。親子四人の為めに僅かの給料で毎日々々こき使われ、帰って
晩酌でも一杯思う時は、半分小児の守りや。養子の身はつらいものや、なア。月末の払い....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
専一に、ここに業を開いているのであるが、久しぶりのこの都の客と、対談が発奮んで、
晩酌の量を過したので、もう奥座敷で、ごろりと横の、そのまま夢になりそうな様子だっ....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
がしにしておこう。) (義理の悪いことはないんですか。) (言うにゃ及ぶべき。)
晩酌で、陶然として、そのまま肱枕でうたたねという、のんきさではありません。急ぎの....
「迷信解」より 著者:井上円了
わりに謝金を包みて床の間の上に置けり。また、別に残肴を入れたる折二箱あり。請う、
晩酌の助けとせよ』と。僕、大いにその厚意を謝す。すでにして僕、楼上にのぼりて床の....
「活人形」より 著者:泉鏡花
赤城得三も泰助と同じ終汽車にて、下男を従えて家に帰りつ。表二階にて下男を対手に、
晩酌を傾けおりしが、得三何心無く外を眺め、門前に佇む泰助を、遠目に見附けて太く驚....