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晩鐘
「晩鐘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩鐘の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二十世紀旗手」より 著者:太宰治
、もうおそい、萱野さん気づかぬように、気づかぬように、人知れぬ深い祈り、ミレエの
晩鐘におとらず深き、人生の幕の陰の祈り。
「萱野さん、かぞえて下さい。きちんとし....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
満足を、両手に組み合わせて、向かい合って立っている年若き夫婦の姿。あのミレーの「
晩鐘」を見る時、私どもはクリスチャンでなくても、そこになんともいえない敬虔な気分....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が美しくつき出した。蜂の群れの唸※の様な人声物音が響く。
ぼうン!
麓の方で
晩鐘が鳴り出した。其鐘の音に促がさるゝかの如く、鴉が唖※と鳴いて、山の暮から野の....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
私が通されたのは、洋風なせまい応接室だった。壁には、色褪《いろあ》せたミレーの
晩鐘の口絵が張ってあった。面白くもない部屋だ。腰掛けは得たいが知れない程ブクブク....
「夜の靴」より 著者:横光利一
理の出るまで一人ぼんやり壁を見ていたひとときの事をふと思い出した。壁にはミレーの
晩鐘の版画がかかっていた。私は日ごろからこのバルビゾン派の画類には一度も感動を覚....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
は『焼入れと焼戻し』というような本がのっています。デスクの前のかべには「ミレーの
晩鐘」の蝋刷りと子供をおぶったもんぺの若い母が馬をひっぱってゆく時かの絵がはりつ....
「桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
同 花は世のためしに咲くや一と盛り すて女 唯かへる心で出たにはつざくら 千代
晩鐘を空におさゆるさくらかな 同 之等の昔の句にも捨てがたい風情はあるが、又....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
るわ。」 私が通されたのは、洋風なせまい応接室。 壁には、色の褪せたミレーの
晩鐘の口絵のようなのが張ってあった。面白くもない部屋だ。腰掛けは得たいが知れない....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、慰める言葉もなかった。すでに人間の脂ぎった殻から脱けて、蕭条の野へかかっている
晩鐘の人生に、お座なりな慰めはいえるものではないからである。 ――といって、過....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
かくな舟を途中で降りてしまったものか。 「いつか暮れたな、春の日も」 「オ。……
晩鐘が鳴っておりまする」 「光明寺か、海印寺の鐘か」 「どこぞ里の旅籠で一夜をお....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
か、などと思い惑ったほど、内容は、東国の頼朝中心のうごきと、京、福原における平家
晩鐘の中の話とが、ちょうど、半々になっている。 いったい、頼朝については、遠い....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
です。夕方、田圃の仕事が済んでから、お祈りをしてから家へかえるんです。」 「……
晩鐘……ってどんなことでしょうか。そうかいてあるわね。」 「晩方、よく鐘が鳴るで....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
襖には、狩野永徳そのほか当代の巨匠が筆をそろえて鵞の間、芙蓉の間、墨梅の間、遠寺
晩鐘の間などと呼ぶにふさわしい彩管を揮っている。 三重の楼、四重、五重、六重と....