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晩食
「晩食〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩食の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
ていくのを、黙って見ていなければならぬ恨めしさ。七時過ぎまでは食事もできないで、
晩食後の片づけに小皿一つ粗※《そそう》をしまいと血眼《ちまなこ》になっている時、....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
え、藩の名まえがわかりゃ、どうしてまたなんのために犬めがのろい参りの一党を毎晩毎
晩食い殺してまわっているか、そのなぞも秘密もわかるはずだよ。いいや、そればかりで....
「河口湖」より 著者:伊藤左千夫
一度も笑顔を見せなかった美人も、いまは花のごときえみをたたえて紅葉をよろこんだ。
晩食には湖水でとれた鯉の洗いを馳走してくれ、美人の唇もむろん昼ほどは固くなく、予....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
子は躊わず言下に答えて、いっこうに相手を窺視するような態度もなかった。「ちょうど
晩食後一時間頃のことで、図書室に戻さねばならないカイゼルスベルヒの『聖ウルスラ記....
「わが町」より 著者:織田作之助
ってな、酒は飲まへんし、食物の道楽もせんようになったし、まあ、夜店の洋食焼きを毎
晩食べたがるくらいなもんや」 柳吉のことを嬉しそうに言った。おくやみに来て、亭....
「易と手相」より 著者:菊池寛
る頃だった、久米が二十七歳前のことだから、十年近い昔である。久米と芥川と僕とで、
晩食を共にした後でもあったろうか、湯島天神の境内を通るとき、彼処に出ている一人の....
「鵞鳥」より 著者:幸田露伴
反問の言外に明らかにそんなことはせずとよいと否定してしまった。是非も無い、簡素な
晩食は平常の通りに済まされたが、主人の様子は平常の通りでは無かった。激しているの....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
なべのまま、熱灰の上にのせた。それでどら焼きが焼け、揚げりんごが揚がるまでには、
晩食のときまで待たなければならなかった。正直に言うと、わたしはそれからの一日が、....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
にして、仕事がすんだところで、門に錠をかって、アルキュエイまで行くことになった。
晩食は八時にできるはずであった。
晩食がすんでわたしたちはすぐうちへ帰ることにした....
「わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
食のオジヤを工夫してもらッたのである。それ以来一ヶ月半、ズッと毎日同じオジヤを朝
晩食って飽きないし、他のオジヤを欲する気持にもならない。 私のオジヤでは、※肉....
「勧善懲悪」より 著者:織田作之助
し、働きすぎて腰が抜けそうにだるいと言う婆さんの足腰を湯殿の中で揉んでやったり、
晩食には酒の一本も振舞ってやったりして鄭重に扱っていたが、湯崎へ来てから丁度五日....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
は、今少しく高き精神を以て研究せられたく思うのである。 予の屡繰返す如く、欧人の
晩食の風習や日本の茶の湯は美食が唯一の目的ではないは誰れも承知して居よう、人間動....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に、朝夕礼拝を行うことなし。ただ国教宗の家にては、食前に誦すべき文句あり。これを
晩食のとき、食卓に対して口誦するを例とす。 宗派異なればその名目また異なり、ヤ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
れの涼をともなう。月のもと船は南に進み、雲の果てこそが呂宋である。) 当夕より
晩食にアイスクリームを出だし、夜中|電扇を動かす。 電扇送経。 (扇風器が風を送....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
さすがに心おもしろからずようやく癇癪の起り起りて耐えきれずなりし潮先、据えられし
晩食の膳に対うとそのまま云いわけばかりに箸をつけて茶さえゆるりとは飲まず、お吉、....