晩飯[語句情報] »
晩飯
「晩飯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晩飯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
ける日曜日はもうあしたに迫っている。彼はあしたは長谷《はせ》や大友《おおとも》と
晩飯を共にするつもりだった。こちらにないスコットの油画具《あぶらえのぐ》やカンヴ....
「彼」より 著者:芥川竜之介
た身震《みぶる》いをする二階である。まだ一高《いちこう》の生徒だった僕は寄宿舎の
晩飯をすませた後《のち》、度たびこの二階へ遊びに行った。すると彼は硝子《ガラス》....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
やはり向い合ったまま、木の子だの鶏だの白菜だのの多い四川料理《しせんりょうり》の
晩飯をはじめていた。芸者はもう林大嬌の外にも大勢僕等をとり巻いていた。のみならず....
「路上」より 著者:芥川竜之介
俊助は立ったまま、ちょいと顎《あご》をその針の方へしゃくって見せた。
「どうだ、
晩飯を食って行っては。」
「そうさな。それも悪くはない。」
野村は制服の隠しか....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
って行った。
三
……日の暮も秋のように涼しかった。僕等は
晩飯をすませた後《のち》、この町に帰省中のHと言う友だちやNさんと言う宿の若主人....
「或る女」より 著者:有島武郎
。
その夜は妹たちが学校から来るはずになっていたので葉子は婆《ばあ》やの勧める
晩飯も断わって夕方その家を出た。入り口の所につくねんと立って姿やに両肩をささえら....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
うか》を歩行《ある》くとじろじろ目をつける、何より最も耐《た》え難《がた》いのは
晩飯の支度《したく》が済むと、たちまち灯《あかり》を行燈《あんどん》に換《か》え....
「海異記」より 著者:泉鏡花
女房は打頷いた襟さみしく、乳の張る胸をおさえたのである。 六 「
晩飯の菜に、塩からさ嘗め過ぎた。どれ、糠雨でも飲むべい、とってな、理右衛門どんが....
「春昼」より 著者:泉鏡花
って、蚊遣りでも我慢が出来ず、私が此処へ蚊帳を釣って潜込んでから、帰って見えて、
晩飯ももう、なぞと言われるさえ折々の事。 爾時も、早や黄昏の、とある、人顔、朧....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
だから、下りて、万世橋行へ乗って、七時すぎにやっと満足に南町へ行った。 南町で
晩飯の御馳走になって、久米と謎々論をやっていたら、たちまち九時になった。帰りに矢....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
あがる。変だなと思ってる中に、一週間もすると、奴の身の周りが追々綺麗になるんだ。
晩飯でも食って出懸ける所を見ると、お前、頭にお前、造花なんぞ※して居やあがる。何....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
道具屋が、私の、東京ではじめて草鞋を脱いだ場所で、泊めてもらった。しかもその日、
晩飯を食わせられる時、道具屋が、めじの刺身を一臠箸で挟んで、鼻のさきへぶらさげて....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
膳の上で温茶を含んで、干ものの残りに皿をかぶせ、余った煮豆に蓋をして、あと片附は
晩飯と一所。で、拭布を掛けたなり台所へ突出すと、押入続きに腰窓が低い、上の棚に立....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
細らしく視めたが、さして心した、というでもなかったに、余程目に染みたものらしく、
晩飯の折から、どうかした拍子だった、一風颯と――田舎はこれが馳走という、青田の風....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
とても相談の成立ちっこはありません。友だちは自炊をしている……だから、茄子を煮て
晩飯を食わしてくれたんですが、いや、下地が黒い処へ、海水で色揚げをしたから、その....