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「晩餐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

晩餐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
河童」より 著者:芥川竜之介
向こうには夫婦らしい雌雄《めすおす》の河童が二匹、三匹の子どもの河童といっしょに晩餐《ばんさん》のテエブルに向かっているのです。するとトックはため息をしながら、....
たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
た。ましてナイフを落した時には途方《とほう》に暮れるよりほかはなかった。けれども晩餐《ばんさん》は幸いにも徐《おもむ》ろに最後に近づいて行った。たね子は皿の上の....
外科室」より 著者:泉鏡花
国の上流社会全体の喜憂に関すべき、この大いなる責任を荷《にな》える身の、あたかも晩餐《ばんさん》の筵《むしろ》に望みたるごとく、平然としてひややかなること、おそ....
海底大陸」より 著者:海野十三
してつけます」 という船内アナウンスが、どの船室にもひびいたからだ。 やがて晩餐を知らせるシロホンが、ボンボンボンとなりだした。六等船客たちはその楽器の音を....
宇宙尖兵」より 著者:海野十三
初めて僕ら新聞記者を引見するという知らせがあったのである。 僕たちは、その日|晩餐の一時間前に、これまで一度も足を踏み入れたことのない艇長公室へ入っていった。....
火星兵団」より 著者:海野十三
敵にまわしている身の上だから、やがて、まもなく仲よしになった。 ふしぎな光景の晩餐会が、この大空艇でひらかれた。そこは、天文に関係のある写真額が四方の壁にかか....
歯車」より 著者:芥川竜之介
うことにした。それから或雑誌社へ電話をかけて金のことを相談した。 結婚披露式の晩餐はとうに始まっていたらしかった。僕はテエブルの隅に坐り、ナイフやフォオクを動....
阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
趙太太はまたこれを趙太爺に告げて一時すこぶる真面目になって話をしたので、趙太爺は晩餐の卓上秀才太爺(息子)と討論した。阿Qは全くどうも少し怪しい。われわれの戸締....
明日」より 著者:井上紅梅
番頭さんが帰って来た時には、世話人の飯は済んでいた。前にも言った通り七時前に晩餐を食うのが魯鎮の慣わしだからだ。衆は家へ帰って寝てしまったが、阿五はまだ咸亨....
寡婦」より 著者:秋田滋
彼らはこうして、毎日夕がたになると、身心ともに疲れはてて館へ帰って来るのだった。晩餐をすますと、彼らは、広間に集って、たいして興もなげにロト遊びをしていた。戸外....
余齢初旅」より 著者:上村松園
から、やがてその官舎の方へお訪ねしたわけであった。それは立派な広い大きな官舎で、晩餐の御馳走をいただいたのである。この人はとても話ずきで、それからそれへと話はつ....
式部小路」より 著者:泉鏡花
たが不可ない。 日の暮方に、また、夕河岸の鰹、生鰹、鰯こ、鰯こい――伊太利じゃ晩餐の朗々朗が聞えて、庭のコスモス、垣根の黄薔薇、温室の朝顔も一際色が冴えようと....
妖怪報告」より 著者:井上円了
衙に出務せり。とき三月一日なり。日課を終え、午後六時ごろ旅亭に帰り浴湯し、まさに晩餐を喫せんとす。旅亭の下婢、左側の障子を開き、手に電報を持ち、予に告げて曰く、....
活人形」より 著者:泉鏡花
行けども、日は傾きて影も射映ねば、少しも心着かざりけり。 泰助は旅店に帰りて、晩餐の前に湯に行きつ。湯殿に懸けたる姿見に、ふと我顔の映るを見れば、頬の三日月|....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
、郵船会社支店長楠本武俊氏の案内にて、同氏の邸宅に至り、特に船津領事等と日本食の晩餐をともにするの好遇を受く。邸宅は公園の背上、山腹にありて、山海の風光、軒前に....