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「普く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

普くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
般若心経講義」より 著者:高神覚昇
よいかと思います。 「自分も悟りの彼岸へ行った。人もまた悟りの彼岸へ行かしめた。普く一切の人々をみな行かしめ終わった。かくてわが覚の道は成就された」 すなわち....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ていたようなものである。 他年抽斎の師たり、年長の友たるべき人々の中には、現に普く世に知れわたっているものが少くない。それゆえわたくしはここに一々その伝記を挿....
海辺小曲(一九二三年二月――)」より 著者:宮本百合子
する私《わたくし》とは 双手を開き 空を仰いで 意味ある天の養液を 四肢 心身に普く浴びようとするのだ。 二月十六日 ....
日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
せび、近き辺はひたすら焔を地に吹きつけたり。空には灰を吹きたれば、火の光を映じて普く紅なる中に、風に堪へず吹き切られたる焔、飛ぶが如くにして、一二町を越えつつ移....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
》護国寺、三田《みた》功運寺、渋谷渋谷寺の五ヶ寺に於て炊出《たきだ》しを命ぜられ普く貧民に之を与へ、其うち神田佐久間町の広場に小屋を設けられて至極の貧人を救助せ....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
さんの可愛らしい霊を想って居た。 来るべき歓びを期待して居る成熟した体の隅々に普く行き渡って居る柔和と謙譲と恥らいを見出すと※子は殆ど痛ましい様な気持になって....
ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
イド氏」は、単に固有名詞としてのみならず、二重性格を意味する普通名詞としても亦、普く世界中に知られているくらいに、有名な小説である。原作の標題は“The Str....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
ことであろう。その結果彼らに悪習慣を作らしめるのみである。ゆえに欧米各国の如く、普く文明の行き渡らない我邦においては断じて雇人に日曜の休暇を与えないがよいという....
博物誌あとがき」より 著者:岸田国士
ールは性来の音楽嫌いを標榜しているが、皮肉にもその作品が世界中の美しい喉によって普く歌われているのである。 序ながら、フランスの小、中学校では、よく書取の問題....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
国事犯罪人を収容した。一七八九年フランス革命が起ると同時に民衆に破壊されたことは普く知られている。サン・タントワヌ門の傍にある。マネット医師はこの牢獄に監禁され....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
て費用を省き。天下の民寒き者多し独り温煖ならんやと曰いし。宋の太祖が大度を慕い。普く慈善を施せしも。始め蛍の資本より。炭も焼べき大竈と成りし始末の満尾迄。御覧を....
秘伝の名訳」より 著者:岸田国士
ことを証明しているばかりでなく、いわゆる旧制度崩壊の空気がいかに濃厚であつたかを普く世に知らしめる事が出来たといゝ得るのである。 十八世紀は、周知の如く、ヨー....
人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
うが、しかし同一の目的を有ったフランスの病院の実例によれば、かかる施設でもこれを普く奨励してよいかどうかには、疑問があろう。産科院はその結果はむしろ有害である。....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ある。これは他国では見られぬ珍らしい習俗である。そして当時その中へ漬ける蕪は同地普く栽培せられてある赤カブであったが、今はどうなっているだろうか。また右漬物用の....
法然行伝」より 著者:中里介山
お不足である。法性寺の空阿弥陀仏は愚癡《ぐち》であるけれども、念仏の大先達として普く化道が広い。わしが若し人身を受けたならば大愚癡の身となって、念仏勤行の人とな....