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「普門品〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

普門品の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
を楽しんで待っていた。千枝松もきっと約束の時刻をたがえずに来て、二人は聞き覚えの普門品《ふもんぼん》を誦《ず》しながら清水へかよった。 その藻をそそのかして、....
魔法修行者」より 著者:幸田露伴
そこでその頃の人だから、神仏に祈願を籠めたのであるが、観音か何かに祈るというなら普門品の誓によって好い子を授けられそうなところを、勝元は妙なところへ願を掛けた。....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
下さ血だらけで、あのこわれ屋の軒の上へ。……わあ、情ない。……お救い下され、南無普門品、第二十五。」 と炉縁をずり直って、たとえば、小県に股引の尻を見せ、向う....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
気がしますものですから、そこで弁信は容《かたち》を改めて、妙法蓮華経観世音菩薩|普門品《ふもんぼん》第二十五を、最初から高らかに誦《ず》しはじめました。 経を....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
下に白無垢二つを重ねて本繩を打たれ、襟には水晶の数珠《じゅず》を掛け、口に法華経普門品《ほけきょうふもんぼん》を唱えながら馬に揺られたお銀の姿が、栄太と共に江戸....
芸術三昧即信仰」より 著者:上村松園
術三昧のうちに、信仰を抱いていくようになった。それにわたしの母が熱心な仏教信者で普門品などを誦しているうちに、今では全部覚えてしまいました。だからと言ってわたし....
活人形」より 著者:泉鏡花
たりけるを、得三に見出されて、さてこそかくは悪魔の手に斬殺されんとするものなれ。普門品、大悲の誓願を祈念して、下枝は気息|奄々と、無何有の里に入りつつも、刀尋段....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
刀尋|段々壊 半瓦と並んだお杉は、袂から、数珠をとり出し、もう無想になって、普門品を称えていた。 初めは低声であったが、そのうちに半瓦や乾児がいることも忘....
私本太平記」より 著者:吉川英治
せ」 「どうして」 と、意地わるく、 「さいぜんから見ていたが、一人の客へは、普門品の一句へ、紅筆で蓮華散らしを描いて与え、老婆の客へは、空也和讃の一章を、葦....
私本太平記」より 著者:吉川英治
うな容子でないことでもなかった。 「詠題か」 尊氏は、ちょっと考えて。 「……普門品念彼偈(観音経)の一句一句を、各※が詠題に分け持って、巻をおさめたなら、尊....