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景情
「景情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
景情の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
るまい。やはり絵画と同じく空間的に景物を配置したのみで出来るだろう。ただいかなる
景情《けいじょう》を詩中に持ち来って、この曠然《こうぜん》として倚托《きたく》な....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
らけの顔を撫でての思案である。 稗蒔 尺寸の天地をも愛する江戸ッ児は常にその
景情を象って、自然の美に接せねばやまぬ。 麦の穂漸く色づいて、田園の風致いよい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
かがやく刃《やいば》の色、星にきらめく兜《かぶと》の光などは、殺気を包むに充分の
景情があります。ここには、人と人との血気、剣と剣との殺気、それが全くむきだしに、....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
奕に負けて帰ってき、お岩に食事を求めると、塩鮭を焼いて出す。それがいかにも貧家の
景情をよく出しているといって激賞されたという芸談や、「鰻の蒲焼で喰べる御飯も塩鮭....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
い。夜討に早具足だから、本来は、背後へ廻って、支膝で、ちょっと腰板を当てるのが、
景情あいともないそうなお悦……(早間に掛けては負けそうもない、四時半から髪結を起....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
もわからないほどの一面の草原になって、涼みかたわら歩く人も多かった。私はそれらの
景情にひたりながらも、さきから引き続いた女の幻影を、こんどは、かえり途にもう一度....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
アヤである。 大きな貸座敷風の構えも一戸二戸はあった。大概はまた待合風の怪しい
景情であった。 「よう。目っけましたよ。あっはっはっ。」 N老人が突然立ち留っ....
「紫式部」より 著者:長谷川時雨
ばこそ、ともすると引きごとに源氏物語の人物、風景を出すことによって、自分が、その
景情《けいじょう》に、いうにいわれぬ雰囲気と、醸《かも》しいだす情緒の満足を感じ....
「早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
。それが実現された暁にはあのあたり一帯に水上陸上相まって、他と趣を異にした特殊の
景情を現出すべく、公園や遊歩場というものを持たないわれ/\牛込区民や、麹町区一部....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
夜長夜寒のおもいを一層ふかからしめた。――「仲見世」というところはときにそうした
景情をもつところだった。 その後、「万梅」は、公園の中「花やしき」の近くに越し....