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景慕
「景慕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
景慕の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
扉《とびら》をたたく音がした。男は飛んでいって扉を開き、うやうやしくおじぎをし、
景慕のほほえみを浮かべて、叫んだ。
「おはいり下さい。御親切な旦那《だんな》、ま....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ら知らずして天国の鍵《かぎ》を手にしながら歩を運ぶまばゆきばかりの無心ほど、世に
景慕すべきものはない。しかし彼女は、素朴な優美さにおいて失ったところのものを、思....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
のやさしい威厳を添えた。高雅な趣が顔の皺《しわ》といっしょになる時には、いかにも
景慕すべきものとなる。花を開いた老年のうちには言い知れぬ曙《あけぼの》の気がある....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
行為よりもその精神を酌《く》め わが輩《はい》はつねに男|伊達《だて》の制度を
景慕《けいぼ》する者である。なかでも幡随院長兵衛《ばんずいいんちょうべえ》のごと....
「藪の鶯」より 著者:三宅花圃
益を与えることができると思いたまう。僕は話聖東《わしんとん》よりもフランクリンを
景慕するヨ。フランクリンも官員でないとはいえないが。話聖東がボストンに義旗を翻が....
「和算の社会的・芸術的特性について」より 著者:三上義夫
しては懇切であり、最上流の諸学徒は宗派の元祖に対するがごとく、最上流の元祖を尊崇
景慕し、その勢力ははなはだ盛大なものとなるけれども、これがためにかえって最上流に....
「読倫理教科書」より 著者:福沢諭吉
たる家の私徳を重んじ、身の内行《ないこう》を厳にして、つねに衆庶《しゅうしょ》の
景慕するところなるやというに、諭吉、またこれを信ずるを得ず。 あるいはいわく、....
「東西相触れて」より 著者:新渡戸稲造
、西洋人で東洋に憧《あこ》がれ、東洋人は西洋を慕《した》う有様にある。ただしこの
景慕の情がまだ充分に成熟せずして東洋人中には西洋人を忌《い》み嫌うものあり、西洋....
「三国志」より 著者:吉川英治
の面にあたった。鞏志は、首を奪って、城門をひらき、張飛を迎え入れて、元来、玄徳を
景慕していた由を訴えた。 張飛は、軍令を掲げて、諸民を安んじ、また鞏志に書簡を....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
は、勿論、史実や遺墨を辿って、かなり真実に近いはずの古人を把握していて、武蔵への
景慕は、研究というよりはむしろ信仰的でさえある。 武蔵の研究とか景仰とかいうも....