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「景況〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

景況の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
中味と形式」より 著者:夏目漱石
つの間《ま》にやらこんなに人が集って来た。この講堂にかくまでつめかけられた人数の景況から推《お》すと堺と云う所はけっして吝《けち》な所ではない、偉《えら》い所に....
琴のそら音」より 著者:夏目漱石
は以前よりも一層余を愛するような素振《そぶり》に見えた。津田君に逢った時、当夜の景況を残りなく話したらそれはいい材料だ僕の著書中に入れさせてくれろと云った。文学....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て、それをキッカケに、しきりに十津川戦陣の物語に鎌をかけて、この勇士に当時実戦の景況を物語らせ、その名誉の負傷のよって来《きた》るところを詳《つまびら》かにさせ....
東上記」より 著者:寺田寅彦
り米相場を説けば向うに腰かけし文身の老人御殿場の料理屋の亭主と云えるが富士登山の景況を語る。近頃は西洋人も婦人まで草鞋にて登る由なりなどしきりに得意の様なりしが....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
が動いていた。今日でこそ新宿には多くの喫茶店が軒をならべ、各々その特色を発揮して景況いよいよ盛んだが、昭和二年にはまだ喫茶店らしいものは一軒も見当らなかったので....
話の種」より 著者:寺田寅彦
線電話 今年の七月、北米の大湖エリーの水上で端艇競漕のあった時、その時々刻々の景況を陸上に報ずるためテルマと名づくる小蒸気船に無線電話機を載せて現場に臨ませた....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れも鰌専門で汁と丸煮だけである)。仲橋は下町でも目抜きの場所であるから、市などの景況も下町気分で浅草とはまた変った所がありました。 歳の市は飾り松、竹、〆縄、....
不在地主」より 著者:小林多喜二
こういう世界へ百姓が首をつん出して、うまく行く筈がない。山の中にいて、市場の景況もあったものでない。工場などでは、昨日! これだけでも分る。 工場に入って....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
ても知らるるごとく、コックリは児女輩の遊戯同様のものにて、近ごろ当府下にて流行の景況を見るに、書生輩の下宿屋に休日の晩には数名相会し、種々さまざまのことを問いか....
向嶋」より 著者:永井荷風
するのである。 震災の後わたくしは多く家にのみ引籠っているので、市中繁華の街の景況については、そのいわゆる復興の如何を見ることが稀である。それに反して向島災後....
申訳」より 著者:永井荷風
大正十五年八月の或夜、僕は晩涼を追いながら、震災後日に日にかわって行く銀座通の景況を見歩いた時、始めて尾張町の四辻に近い唯《と》あるカッフェーに休んだ。それ以....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
発行せる東洋文学書類の名目を集めたる小冊子あり。今、西洋にて東洋学研究の流行せる景況の一斑を示さんため、その冊子中より右に関する書類の部数を挙ぐること、左表のご....
五重塔」より 著者:幸田露伴
は飛んで疾風に木の葉の翻えるがごとく、鋸屑舞って晴天に雪の降る感応寺境内普請場の景況賑やかに、紺の腹掛け頸筋に喰い込むようなをかけて小胯の切り上がった股引いなせ....
濹東綺譚」より 著者:永井荷風
これまで折々の散策に、砂町や亀井戸や、小松川、寺島町《てらじままち》あたりの景況には大略通じているつもりであったが、いざ筆を着けようとすると、俄《にわか》に....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
とか片付け、大正十五年暮から十五回にわたる講義を試みたのであった。「近世戦争進化景況一覧表」(一二一頁参照)はそのときに作られたのである。 昭和二年の同二年学....