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晴る
「晴る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
げなさりながら、ところどころ小声に御読みになりました。
「……世の中かきくらして
晴るる心地なく侍《はべ》り。……さても三人《みたり》一つ島に流されけるに、……な....
「武蔵野」より 著者:国木田独歩
やく」
十月十九日――「月明らかに林影黒し」
同二十五日――「朝は霧深く、午後は
晴る、夜に入りて雲の絶間の月さゆ。朝まだき霧の晴れぬ間に家を出《い》で野を歩み林....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
華の雲に蔽われて、自家の存在と、学者の独立とを忘れていた英吉は、日蝕の日の、蝕の
晴るると共に、嗟嘆して主税に聞くべく、その頭脳は明に、その眼は輝いたのである。 ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
日が赫と照る、蝉がまた啼き出すという始末。急がずば湿れざらましを旅人の、あとより
晴るる野路の村雨――太田道灌よく詠んだとは、まったく此の事であった。近年こんな夕....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
治、此方へ入っておくれ」 丹「はい御免なせえまし、何うでござえますな、些とは胸の
晴る事もござえますかね、お嬢さんも心配しておいでなさいますから、能くお考えなせえ....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
風流に日を送りて、何の不足もあらざる身なるに、月の如くその顔は一片の雲に蔽われて
晴るることなし。これ母親の死を悲み別離に泣きし涙の今なお双頬に懸れるを光陰の手も....
「日本天変地異記」より 著者:田中貢太郎
日、桜島火を発し、地大に震ひ、黒烟天を覆ひ、忽ち暗夜の如し、五日経て後、烟消え天
晴る、十四日一島湧出す、其翌年七月朔日水中に没す、是を一番島と言ふ、同十五日又一....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
譬うべし。雨と晴れとの中にありて雲と共に東へ/\と行くなれば、ふるかと思えば晴れ
晴るゝかと思えばまた大粒の雨|玻璃窓を斜に打つ変幻極まりなき面白さに思わず窓縁を....
「小春」より 著者:国木田独歩
人の湖国と同一とはいわない、しかし湖国の風土を叙して そこには雨、心より降り、
晴るる時、一段まばゆき天気を現わし、鳴らざりし泉は鳴り、響かざりし滝は響き、泉も....
「絶景万国博覧会」より 著者:小栗虫太郎
訓練をされると、遊女達の精気が喚起されるばかりではなく、その効果が、東室雨起南室
晴るの○○○○○○○○○、○○○○○されるか、恐らく想像に難くはないであろうと思....
「妖怪学」より 著者:井上円了
兆しなりという。また、ある書に、「灯心に丁字頭立てば旱なり」「鍋墨に火点ずれば雨
晴るる」という。ある人の天気を詠ずる歌に、 夢見るは雨と日和の二つなり変らぬ時に....
「西航日録」より 著者:井上円了
がり、万歳を叫ぶ声が発車の汽笛をかき消すのであった。) 正午十二時、天ようやく
晴る。知友と袂をわかちて港内より発錨す。汽船は若狭丸と号し、六千二百六十トンの大....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
時間にして、領事館に移り、総領事代理瀬川浅之進氏に面会す。五時乗船、驟雨ようやく
晴る。領事館書記相原庫五郎氏の帰朝せらるるに会し、同乗してホンコンに向かう。江上....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
かばをそらに知るかな 雨のふれるに庭の菊をみて 露を重みまがきの菊のほしもあへず
晴るれば曇る村雨の空 初冬の歌の中に 木の葉ちり秋もくれにし片岡のさびしき森に冬....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
一人歩いた。 「あまりに淋しい夜だ! 」 「人生に救いはないか! 人生の闇はいつ
晴るのだ! 」 こんなに考えて歩いていると、何時の間にか彼は、自らが何者である....