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晴れて
「晴れて〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴れての前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
《なかぞら》にたなびいたと思いますと、見る間にそれが大きくなって、今までのどかに
晴れていた空が、俄《にわか》にうす暗く変りました。その途端《とたん》に一陣の風が....
「葬儀記」より 著者:芥川竜之介
して、不快だった。
青山の斎場《さいじょう》へ行ったら、靄《もや》がまったく
晴れて、葉のない桜のこずえにもう朝日がさしていた。下から見ると、その桜の枝が、ち....
「或る女」より 著者:有島武郎
心《しん》のように半透明にまっ赤《か》に光っているので、日が高いのも天気が美しく
晴れているのも察せられた。甘ずっぱく立てこもった酒と煙草《たばこ》の余燻《よくん....
「星座」より 著者:有島武郎
はいえない。その愛がその人の前に明かに表明された以上、貴様の心は朗《ほがらか》に
晴れていかねばならぬはずだ。それだのに結果は反対ではないか。何んという愚かな苦し....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
まで生活の保障を与えられる飛行将校にすらなろうという人の少ない世の中に、荒れても
晴れても毎日毎日、一命を投げてかかって、緊張し切った終日の労働に、玉の緒で炊き上....
「親子」より 著者:有島武郎
まりといえばあんまりだった。小作人たちは、 「さあ、ずっとお寄りなさって。今日は
晴れているためかめっきり冷えますから」 と早田が口添えするにもかかわらず、彼ら....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
クララは幾度もそこを読み返した。彼女の迷いはこの珍らしくもない句によって不思議に
晴れて行った。そしてフランシスに対して好意を持ち出した。フランシスを弁護する人が....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
です。」 しかるところ、暗がりに目が馴れたのか、空は星の上に星が重って、底なく
晴れている――どこの峰にも銀の覆輪はかからぬが、自から月の出の光が山の膚を透すか....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
るが、名実あい合わず、砕いて言えば収入が少いから、かくの始末。藍染川と、忍川の、
晴れて逢っても浮名の流れる、茅町あたりの借屋に帰って、吉原がえりの外套を、今しが....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
たから。 さりながら、さりながら、 「立花さん、これが貴下の望じゃないの、天下
晴れて私とこの四阿で、あの時分九時半から毎晩のように遊びましたね。その通りにこう....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
も見かえり見かえり南を向いて心細いひとり旅をする事になりました。 秋の空は高く
晴れて西からふく風がひやひやと膚身にこたえます。今日はある百姓の軒下、明日は木陰....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
を、――従ってどのくらい僕自身の小さいかと云うことを考えようとした。しかし昼間は
晴れていた空もいつかもうすっかり曇っていた。僕は突然何ものかの僕に敵意を持ってい....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ちど赤いくつを見なおした上、とうとうそれをはいてしまいました。その日はうららかに
晴れていました。カレンとお年よりの奥さまとは、麦畑のなかの小道を通っていきました....
「人魚のひいさま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
いて、もうこの上は、お坊さんにたのんで、王子とおまえさんとふたりの手をつないで、
晴れてめおととよばせることにするほかない、というところまでいかなければ、やはり、....
「活人形」より 著者:泉鏡花
してお謝罪をしろと、居丈高に詰寄れば、「こりゃ可笑い、お政府に税を差上げて、天下
晴れての宿屋なら、他人の妻でも妾でも、泊めてはならぬ道理は無い。それとも其方の女....