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晴れ晴れ
「晴れ晴れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴れ晴れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
た時の事を思えば、うれしくこそあれ、惜しくはない。――彼は、後ろを見返り見返り、
晴れ晴れした微笑を、口角に漂わせながら、昂然《こうぜん》として、馬を駆った。
....
「二人小町」より 著者:芥川竜之介
ありません。昔も男の餌食でした。今も男の餌食です。将来も男の、……
使 (急に
晴れ晴れと)将来は男に有望です。女の太政大臣《だいじょうだいじん》、女の検非違使....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
けだよ。この辺じゃ未だにこれを食えば、無病息災になると思っているんだ。」
譚は
晴れ晴れと微笑したまま、丁度この時テエブルを離れた二三人の芸者に挨拶《あいさつ》....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
くうねっている天《あめ》の安河《やすかわ》を眺めていると、意外にも柏の枝の下から
晴れ晴れした女の笑い声が起った。その声はまるで氷の上へばらばらと礫《こいし》を投....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
肉な感じを起させるほど、みじめな看客に違いなかった。が、それだけまた彼等の顔に、
晴れ晴れした微笑が漂っているのは、一層|可憐《かれん》な気がするのだった。
将....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
子さんの「もう帰りましょう」と言った時にはほっとひと息ついたものです。M子さんは
晴れ晴れした顔をしたまま、僕等の何《なん》とも言わないうちにくるりと足を返しまし....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
見せそうにしましたが、ふと新蔵の眼が枕もとの朝顔の花に落ちているのを見ると、急に
晴れ晴れした微笑を浮べて、こんな事を話して聞かせました。「この朝顔はね、あの婆の....
「或る女」より 著者:有島武郎
した自分の穽《おとしあな》にたわいもなく酔い始めた。葉子はこんな目もくらむような
晴れ晴れしいものを見た事がなかった。女の本能が生まれて始めて芽をふき始めた。そし....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
と思いなやんでいたらしかったので、君の言葉を聞くと活路を見いだしたように少し顔を
晴れ晴れさせて調剤室を立って行った。それも思えば一家の貧窮がKの心に染み渡ったし....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
ではないのである。 おとよはだれの目にも判るほどやつれて、この幾日というもの、
晴れ晴れした声も花やかな笑いもほとんどおとよに見られなくなった。兄夫婦も母も見て....
「燕と王子」より 著者:有島武郎
クリスマスには間もありません。欲張りもけちんぼうも年寄りも病人もこのころばかりは
晴れ晴れとなって子どものようになりますので、かしげがちの首もまっすぐに、下向きが....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
なっても、人間らしい、正直な暮しをするつもりです」 杜子春の声には今までにない
晴れ晴れした調子が罩っていました。 「その言葉を忘れるなよ。ではおれは今日限り、....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
、ザット、マイ、マザー、イズ、プレーイン……」と、鼻にかかった、甘ったるい声で、
晴れ晴れと唄いながら、美和子が帰って来た。 「誰から……?」圭子と新子が、同時に....
「犬と人と花」より 著者:小川未明
「いいお天気でございます。よく精が出るのう。」と、声をかけられると、人々は急に
晴れ晴れした気持ちになって、また仕事にとりかかったのであります。 おじいさんは....
「気まぐれの人形師」より 著者:小川未明
せ人形』と書いてある箱の中にはいっている人形は、その顔を描くときに、私の気持ちが
晴れ晴れとしていましたから、そう書いたのです。そして、もう一|方の箱の中に入って....