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晴夜
「晴夜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴夜の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あいびき」より 著者:ツルゲーネフイワン
ツだも留めず、大気中に含まれた一種清涼の気は人の気を爽《さわや》かにして、穏かな
晴夜の来る前触れをするかと思われた。自分はまさに起ち上りてまたさらに運だめし(た....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
め》にできる。手を出そうかなと思う矢先へもって来て、急に黒い斑点《はんてん》が、
晴夜《せいや》の星宿《せいしゅく》のごとく、縦横に行列するんだから、少し辟易《へ....
「ある宇宙塵の秘密」より 著者:海野十三
と化し終った渋谷博士の行方とともに、解きえない謎である。…… 私は寒星きらめく
晴夜の天空をあおいで、深いといきをついたことだった。 私にはいまひとつの想像が....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
あったが、他は軽微だった。 昭和十九年十二月十日 ◯午後七時半ごろ、警報鳴る。
晴夜だ。家族を壕へ入れる。敵は二機だ。帝都の西方(わが家は帝都西部に位置する)よ....
「小浅間」より 著者:寺田寅彦
つぎ上げなければならぬ貴重なものである。雨のときはテントの屋根から集めるという。
晴夜が三晩もあれば、観測は終了するはずであるが、ここへテントを張ってから連日の雨....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
、滝の音だけがとうとうと鳴りひびき、いっそう気味のわるいものにしていた。 ただ
晴夜のこととて、星だけが空にきらきらと明るくかがやいていた。しかし星あかりだけで....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うのが至当であるという見地から、植物の葉の温度は、日中には著しく気温よりも高く、
晴夜には著しく気温よりも低いということの実験を重ねるために、わざわざ深夜を選んだ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
な、ぼうっと明るい夜だ。物の影が黒く地に這って……耳を抉《えぐ》る静寂。
夏の
晴夜は、更《ふ》けるにしたがって露がしげって、下葉《したば》に溜まった水粒が、ポ....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
》の店は百五十軒に過ぎ、氷水売は七十軒、その他の水菓子、甘酒、諸商人の出ること、
晴夜《せいや》には、半宵《はんしょう》の物成高《うりあげだか》五百円位、きわめて....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
は海面から高く聳えているものである。時として二百呎も水を抜いている。それに昼間や
晴夜は勿論、すこし位い暗い晩でも、相当の距離から船橋の見張人に眼に這入らずにはい....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
》を上へ向けて、空を仰いだ。長どんは笑いだした。 「ははは、いくら見たって、この
晴夜《はれ》に雨が降るもんか。馬鹿だなあ、松どんは。」 で、松どんも仕方なしに....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
入って冴え渡った寒空、濃い闇黒《やみ》が街を一彩《ひといろ》に刷《は》き潰して、
晴夜《はれ》とともに一入《ひとしお》の寒気、降るようにとまでは往かなくとも、星屑....