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晴天
「晴天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
たついでに、ふと樗牛のことを思い出して、また竜華寺へ出かけて行った。その日は夏の
晴天で、脂臭《やにくさ》い蘇鉄《そてつ》のにおいが寺の庭に充満しているころだった....
「或る女」より 著者:有島武郎
のない世界に落ち込んで行った。
ほんとうに葉子が目をさました時には、まっさおに
晴天の後の夕暮れが催しているころだった。葉子は部屋《へや》のすみの三畳に蚊帳《か....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
この空襲で注目されるのは、二十九日の横浜爆撃で従来の夜間爆撃戦法をやめ、午前の
晴天時に来襲していることで、六月一日の大阪爆撃と併せ考える時、今後敵は白昼の無差....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
うであった。 空は、どんより曇っていた。しかし、風が相当吹いていたから、やがて
晴天になるであろう。 (さて、これから自分は、いかにして、わが家に戻るべきであろ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の残された黒い空は円形をなしていた。その円の広さがだんだんに狭くなっていくのだ。
晴天に大きな蛇の目傘をひろげたようであったのが、ずんずん小さくなって、黒い丸い窓....
「火薬船」より 著者:海野十三
のすごい光景とはなった。 俺は若い! 「みんな、停めろッ!」 とつぜん、
晴天の雷鳴のように、どなった者がある。 船長だ。ノーマ号の船長、ノルマンだ。い....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
行島の夜は明けはなれた。 熱帯地方の海は、毎日同じ原色版の絵ハガキを見るような
晴天がつづく。今日も朝から、空は紺碧に澄み、海面は油を流したように凪いでぎらぎら....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
三ヵ月ばかり前、村の「有力者」に頼んで、すでに三十何件かのコソ泥を自白した彼を「
晴天白日」の身にしてやったばかりである。そしてR自身、そのために金一封、五百円ば....
「妖怪学」より 著者:井上円了
説明を与えんと欲するなり。 (一)小児の疳の虫を取るマジナイ この法は、
晴天の巳の時に、白|胡麻の油を手の甲、指、額に塗り、日輪に向かいて居らしめ、手合....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
とか、あるいは行灯の灯心にちょうができれば天気の兆候であるとか、鍋墨に火が付けば
晴天の兆しであるとかいうごとく、従来の経験上、多少基づくところがあって言うのであ....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
竹の足あがること十回なるをもって、この猫の年齢十歳なるを知る。また曰く、「明日は
晴天なればこの足をあげよ」と。このとき足あがらず。また曰く、「しからば、明日は雨....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
候を予想して登っても、大なる失策はなかろう、が三千米突以上の高山となると、山麓で
晴天の予想も、頂上へ行くとがらりかわり、折々雲霧に見舞われる、これによると、今回....
「西航日録」より 著者:井上円了
ロンドンよりもいちだん寒く、雪や霜もときどき見ることあれども、山水の風景に富み、
晴天の日には村外の散策最も爽快を覚ゆ。かつその地都会と異なり、人情敦朴にして、諸....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
その割合に応じて同市より劣る。ただリマの特色としては、年中雨なく、春夏秋の三期は
晴天、冬期は曇天にして、ときどき降霧あるのみ。よって家屋に屋根なく、その多くは屋....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
み称していた。 昭和十三年十二月、舞鶴要塞司令官に転任。舞鶴の冬は毎日雪か雨で
晴天はほとんどない。しかし旅館清和楼の一室に久し振りに余り来訪者もなく、のどかに....