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晴晴
「晴晴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴晴の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「比叡」より 著者:横光利一
したよ」 そういう姉の後から、千枝子もショールを拡げながら、「ほんとに、これで
晴晴しましたわ」と云って高縁の段を降りた。 後はもう定雄は家内一同をつれて、勝....
「旅愁」より 著者:横光利一
よ。来るときもこんな日だったし、今日もこんなでしょう。」
と千鶴子は笑ってまた
晴晴しそうに薄靄のかかった街を眺めた。
「パリの人間は見送りというものをしないそ....
「青年」より 著者:森鴎外
、気の詰まるような処であった。それにこの家は茶掛かった拵えでありながら、いかにも
晴晴している。蹂口のような戸口が南向になっていて、東の窓の外は狭い庭を隔てて、直....
「日輪草」より 著者:竹久夢二
ポンプのところへやってくるとその草は、素晴らしい黄いろい花を咲かせて、太陽の方へ
晴晴と向いているのでした。熊さんは、感心してその見事な花を眺めました。熊さんは、....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
と頼まれましてあたしが磨ぎました」 「なに、刃物?……」 留五郎の顔には、急に
晴晴した微笑が浮かんだ。 「お春さん。お前の推量は、当たってるぜ。直ぐに常吉を呼....
「澪標」より 著者:外村繁
時には、私はやはりそっと手拭を当てるより他はない。 しかし私は一般の大浴場も、
晴晴としていて、好きである。妻も同感であるらしい。大浴場からは外の風景の見える場....
「或る少女の死まで」より 著者:室生犀星
な。」 こう語りながら間もなく私どもは街路へ出た。すべての夜の街衢のよそおいが
晴晴しく輝いて、私どもの健康なからだに触れるものを懐しがった。美しい逞しい女の散....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
っと私の詩をよむに違いない。私は全世界の眩しい注目と讃美の的になっているような、
晴晴しい押え難い昂奮のために、庭へ出て大声をあげたいようにさえ思った。私の詩のよ....