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晴朗
「晴朗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴朗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「号外」より 著者:国木田独歩
めた、「敵艦見ゆとの警報に接し、連合艦隊は直ちに出動これを撃滅せんとす、本日天候
晴朗なれども波高し――ここを願います、僕はこの号外を読むとたまらなくうれしくなる....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
江戸の空は青々と晴れて鎮まっていた。 「颶風がくる」と、かれは又叫んだ。 天気
晴朗の日でも品川の海には突然颶風を吹き起すことがある。船頭たちは無論それを知って....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
七 日本海海戦 僕らは皆日本海海戦の勝敗を日本の一大事と信じていた。が、「今日
晴朗なれども浪高し」の号外は出ても、勝敗は容易にわからなかった。するとある日の午....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
私は山の手の麹町に生長したせいか、子供の時から鳶なぞは毎日のように見ている。天気
晴朗の日には一羽や二羽はかならず大空に舞っていた。トロトロトロと云うような鳴き声....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
に唸るほど、感心していた。回覧板の事など、ちっとも気にしていないらしい落ちついた
晴朗の態度にも感心したが、それよりも、あのいたわりの声の響きの気品に打たれた。御....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
洞庭の神 梁遂という人が官命を帯びて西粤に使いするとき、洞庭を過ぎた。天気
晴朗の日で、舟を呼んで渡ると、たちまちに空も水も一面に晦くなった。 舟中の人も....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
第二篇 お門違いな寄り合い
一 修道院に着く
美しく澄み渡った暖かい
晴朗な日和《ひより》であった。それは八月の末のことであった。長老との会見は昼の弥....
「幻覚記」より 著者:豊島与志雄
私は、その人が大好きだった。 その叔母さんと、小学生の娘と、私の母と、四人で、
晴朗な午後、自然の中を歩くのである。先ず八幡様と地蔵様とにお詣りをし、それから広....
「或る作家の厄日」より 著者:豊島与志雄
四壁も消失して、心気は天地と合体する。微風が音もなく流れ、露が静かに結ぼれてる、
晴朗な夜である。 「先生。」 こんどははっきりした声だ。 「はいってもよろしゅ....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
ば、余は船の最も底の倉庫のごとき処に毛布を敷き、そこを居室兼寝室と定めしも、天気
晴朗なる日はそのような薄暗き処に閉じこもる必要なし、余は航海中の多くを風清き甲板....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
吾々の任務を果たし、吾々の共同行為の義務を尽した後に、公平無私の芸術や、ゲエテの
晴朗や、純粋の美を望むのは、善い事でもあり自然の事でもある。それは人生の旅の至上....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
がえて一同に別れを告げた。ニュージーランド川より平和湖へこぎだすに、この日天気|
晴朗、南西の風そよそよと吹いてボートの走ること矢のごとし。 ふりかえって見ると....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
ると鳴きます。人間もちょうどそういうときに、多く命を失うものである。また、今まで
晴朗であった天気が、にわかにかき曇ったというように、気候の上に変動をきたしたとき....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
想を惹起するがごとき情感なく、ことに夢境は某川|暴漲せりと覚ゆれども、あたかも天
晴朗、降雨の兆しもなし。かつ、はじめ家を去るとき、父平素にたがわず健康なれば、こ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
の砂浜の尖端、 あ、ざんざら波、 一面の反射光。 銀、銀、銀、銀、 天気
晴朗なれども浪高し。 ところで、白い帽子の白詰め襟の老ボーイ、食堂の入口に現れ....