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晴雨計
「晴雨計〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
晴雨計の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
それが愚問であることがわかると、皆は腹を抱えて笑った。 また、ウェールグラス(
晴雨計)や、テルモメートル(寒暖計)や、ドンドルグラス(震雷験器)などを見せられ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
までに荘厳なこの日の序幕をながめているのだ。君の父上は舵座にあぐらをかいて、時々
晴雨計を見やりながら、変化のはげしいそのころの天気模様を考えている。海の中から生....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
感じた。おどかしにやっているのだ。彼等は、顔色が変った。 敏感な重藤は、正確な
晴雨計のように、すぐ、それに気づいた。兵士たちが、色めいて、変に動揺しだしたのを....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
で求めたが、一行のものは、それを拒んだ。彼らが京都所司代を訪ねた時はまた、一つの
晴雨計を取り出して来る日本人があって、その性質、使用法なぞを尋ねられたこともある....
「嵐」より 著者:島崎藤村
やすく、眩暈心地のするような日が続いた。毎朝の気分がその日その日の健康を予報する
晴雨計だった。私の健康も確実に回復するほうに向かって行ったが、いかに言ってもそれ....
「異郷」より 著者:寺田寅彦
ていた。 測候所で案内してくれた助手のB君は剽軽で元気のいい男であった。「この
晴雨計の使い方を知っているかね、一つ測って見給え」などと云った。別れ際に「ぜひ紹....
「六月」より 著者:相馬泰三
からぶら下がっている幾つかの電燈、隅々の戸棚、蓋のしてある暖炉、大きな八角時計、
晴雨計、寒暖計、掲示板、――壁にはところどころに何者の趣味だか、いや何の意味だか....
「好意」より 著者:豊島与志雄
今日は少し悪いなとか、そういった調子になるんだ。それを見てると、僕は自分の容態の
晴雨計をでも見るような気がしてくる。所が不思議なのは、同じように高低するその沢山....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
さなかった。それは彼にとって、パリーの大洋中における小島であった。また、精神上の
晴雨計でもあった。彼の魂の天候を、彼のごくひそかな思想を、彼がみずから意識してる....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
雨は、幸いにも、襲ってきたときと同じく速やかに過ぎ去った。官房の非公式な報道は、
晴雨計のように、天気の回復を告げた。新聞紙の荒犬は、また犬小屋の中に潜んだ。暫時....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。わずかの言葉で過去の親しいことどもが心に浮かんだ。ある区役所の前で立ち止まって
晴雨計を見ると、上昇するらしい模様だった。 「明日は、」とオリヴィエは言った、「....
「言語と道具」より 著者:寺田寅彦
別として、本当の意味での物質科学の開け始めたのはフロレンスのアカデミーで寒暖計や
晴雨計などが作られて以後と云って宜い。そして単に野生の木の実を拾うような「観測」....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
の火薬および弾丸。 食器類一式。 毛布、綿、フランネル、大小ふとん、まくら。
晴雨計二、寒暖計一、時計二、メガホン三、コンパス十二、暴風雨計一、日本国旗と各国....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
るリアリズムであり、絶対に「公平無私な証人」でありつづけ、いわば人間が一台の自記
晴雨計に化することを意味する。世の中にこれほど非人間的な条件があるものではない。....
「穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
信濃、奥穂高岳、並木氏」「信濃、前穂高岳、徹蔵氏」一等三角点の下に攀じ、一息して
晴雨計を見ると約三千米突。最高峰の南に位するゆえ、南穂高岳と命名した。 先刻よ....