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「暁風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暁風の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
観画談」より 著者:幸田露伴
止めのない漫遊の旅を続けた。 憫むべし晩成先生、|嚢中自有然として夕陽の山路や暁風の草径をあるき廻ったのである。 秋は早い奥州の或|山間、何でも南部領とかで....
蝱の囁き」より 著者:蘭郁二郎
一、暁方は森の匂いがする 六月の爽やかな暁風が、私の微動もしない頬を撫た。私はサッキから眼を覚ましているのである。 こ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。その中に三体詩の零本があったから、枕頭の灯を挑《かか》げて、『行尽江南数十程、暁風残月入華清』などという詩を繰返し繰返し読んでいる中につい夢地に入った。今でも....
人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
った。 ところが、どうしたことか、その夜のうちに予感が適中してしまった。 翌暁風がおさまると同時に、それなり里虹の姿が、掻き消えてしまったのであるから……。....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
せた。宿を出ると峠道で、朝陽出ぬ間の露の玉が木にも草にも置かれていた。夜明け前の暁風に、はためく物は芒の穂で、行くなと招いているようであった。 「せめて関所の茶....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
初太郎は、もう朝になったのではないかという気がした。そう思うと、雨戸を鳴らす風も暁風《あさかぜ》のように考えられるし、気のせいか戸の隙間に仄白い薄明りさえ感じら....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
気を覚ゆ。午後、ドイツ郵船に会す。晩に至り、船客みな外套を用う。 四日、晴れ。暁風寒きこと前夕のごとし。日中に至り、大快晴となるとともに暑気を覚ゆ。午後、はる....
三国志」より 著者:吉川英治
事かと、仰天して、物の具をまとうや否や、孟達は城のやぐらへ駈けのぼった。見れば、暁風あざやかに魏の右将軍徐晃の旗が壕近くに見えたので、 「や、や、いつの間に」 ....