暇乞い[語句情報] » 暇乞い

「暇乞い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暇乞いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
心中浪華の春雨」より 著者:岡本綺堂
思い出して、顔のしずくを払う六三郎の指先には涙のしずくも流れた。 死んだ父母に暇乞いは済んだ。今度は生きた人に暇乞いをしなければならない。日が暮れて六三郎はさ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
「あすもまた御機嫌伺いにあがりまする」 一※《いっとき》ほどの後に千枝太郎は暇乞いをして帰った。それから京の町をひとめぐりしたが、きょうも都の人はちっとも彼....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
母が病気だという知らせを聞いて、王の兄弟は暇を取って郷里に帰った。帰る時に、兄も暇乞いに来たが、兄は特に私にむかって、大人はからだが弱そうであるから、秋になった....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
扉船の直ぐ側だ。それから四日|経て昨日の晩だ。修繕の終った天祥丸は、K造船工場に暇乞いをして芝浦へ急行しなければならない。そこで出渠の作業が始まる。第二号|乾船....
不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
を百隻作って、太平洋に押し出すのだ。こいつは素晴らしいぞ。では博士、早速ですがお暇乞いをして、急遽帰国の上、神経衰弱症の大統領を喜ばしてやりましょう」 特使は....
東京要塞」より 著者:海野十三
装う髭蓬々の男は、濡れていた半纏が乾いたというので、これに着かえながら、そろそろ暇乞いをする気色に見えた。 「おう、もうお帰りですかい。そうだ、お前さんの名刺を....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
お得意の御模様が見えていました。 一と通りおききしたいことをおききしてから、お暇乞いをいたしますと『又是非何うぞ近い中に……。』という有難いお言葉を賜わりまし....
故郷」より 著者:井上紅梅
話をしたあとで母は語を継いだ。 「お前さんは久しぶりで来たんだから、本家や親類に暇乞いを済まして、それから出て行くことにしましょう」 「ええそうしましょう」 「....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
、その日の夕方にお兼が自分の町内にすがたを現わして、おなおさんその他の稽古朋輩に暇乞いのような詞を残して行ったことである。お兼はそれから深川へ行ったのか。それと....
火薬庫」より 著者:岡本綺堂
遠慮してなんにも訊かなかった。混雑の際に邪魔をするのも悪いと思って、二人は早々に暇乞いをした。 「そうしますと、別に御用はございませんかしら。」 「ない、ない。....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
ねると、思ったほどに衰れてもいなかったので、半日を閑談して夜るの九時頃となった。暇乞いして帰ろうとすると、停車場まで送ろうといって、たった二、三丁であるが隈なく....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
ックリとお遊びにいらしって下さい」と後日の再訪を求めて打切られるから、勢い即時に暇乞いせざるを得なくなった。随って会えば万更路人のように扱われもしなかったが、親....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
送金もまた予期の如くならざるほど頗る困迫していた。 東京を出発する前、二葉亭は暇乞いに来て、「何も特別の用務はないので、ただ来てさえくれれば宜いというのだ。露....
四十年前」より 著者:内田魯庵
尾崎行雄であった。尾崎は重なる逐客の一人として、伯爵後藤の馬車を駆りて先輩知友に暇乞いしに廻ったが、尾行の警吏が俥を飛ばして追尾し来るを尻目に掛けつつ「我は既に....
古事記」より 著者:太安万侶
たところ、父上はそれではこの國に住んではならないと仰せられて追い拂いましたのでお暇乞いに參りました。變つた心は持つておりません」と申されました。そこで天照らす大....