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暑中
「暑中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暑中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それがざっと二月《ふたつき》ばかり続いてからの事でございましたろう。ちょうど
暑中休暇になった当座で、ある夕方私が散歩かたがた、本願寺別院《ほんがんじべついん....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
にまた矢の根を伏せた後《のち》、こう家康に返事をした。
「直之《なおゆき》の首は
暑中の折から、頬《ほお》たれ首《くび》になっております。従って臭気も甚だしゅうご....
「白」より 著者:芥川竜之介
ことが出来ず、当局は大いに困っている。
東京朝日新聞。軽井沢《かるいざわ》に避
暑中のアメリカ富豪エドワアド・バアクレエ氏の夫人はペルシア産の猫を寵愛《ちょうあ....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
物と異なりて、渠の演芸はおのずから夏炉冬扇のきらいあり。その喝采《やんや》は全く
暑中にありて、冬季は坐食す。 よし渠は糊口《ここう》に窮せざるも、月々十数円の....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
こと覚えてからは、市川の町を通るすら恥《はず》かしくなったのである。 この年の
暑中休みには家に帰らなかった。暮にも帰るまいと思ったけれど、年の暮だから一日でも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
出る外、余り着て来た事の無い、珍らしい背広の扮装、何だか衣兜を膨らまして、その上
暑中でも持ったのを見懸けぬ、蝙蝠傘さえ携えて、早瀬が前後を※しながら、悄然として....
「地球盗難」より 著者:海野十三
美代の方は高等小学を終ったばかり、子供にしてはもうかなり大きい方だったが、武夫が
暑中休暇で、この矢追村へ帰ってくると、幼馴染の二人は、昔にかえって、これから山の....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
告りを揚げて、何の峠を越すと云うでもありません。御覧の通り、学校に勤めるもので、
暑中休暇に見物学問という処を、遣って歩行く……もっとも、帰途です。――涼しくば木....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
もなければ、意を通ずるほどの事さえも果さないうちに、昨年の夏、梅水が富士の裾野へ
暑中の出店をして、避暑かたがた、お誓がその店を預ったのを知っただけで、この時まで....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
補に叙せられたのが、今年になって夏のはじめ、新に大審院の判事に任ぜられると直ぐに
暑中休暇になったが、暑さが厳しい年であったため、痩せるまでの煩いをしたために、院....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
と十年になるから、この天田越が、今は既に随分、好事。 さて目的は別になかった。
暑中休暇に、どこかその辺を歩行いて見よう。以前幾たびか上下したが、その後は多年|....
「「ファン」について」より 著者:伊丹万作
どはくれないが、そのかわり増えたり減つたりは決してしない。 おせじをいつたり、
暑中見舞をさしあげたりする必要はなおさらない。 一万、二万と明らかな数字をもつ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ですから。あるいは希望が達しられるかも知れないと思ったので。 つまり、友だちが
暑中休暇後に上京する――貧乏な大学生で――その旅費の幾分を割いて、一所に連れて出....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
の数氏よりも遅れているが、最も熱心に蒐集したのは銀座の天※居が去年の夏、複製して
暑中見舞として知人に頒った椿岳の画短冊は劫火の中から辛うじて拾い出された椿岳蒐集....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
シェー氏、自動車にて歓迎せらる。即時に同氏の宅に至り、冷茶を喫す。ドイツにては、
暑中は氷水にて茶を喫すること流行するという。これより博物館、公園、遊覧台、植物園....