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暑中休暇
「暑中休暇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暑中休暇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
それがざっと二月《ふたつき》ばかり続いてからの事でございましたろう。ちょうど
暑中休暇になった当座で、ある夕方私が散歩かたがた、本願寺別院《ほんがんじべついん....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
と、どんな茅屋の軒へでも、それこそ花だけは綺麗に飾って、歓迎をしますから、貴娘、
暑中休暇には、海水浴にいらしって下さい。 江尻も興津も直きそこだし、まだ知りま....
「地球盗難」より 著者:海野十三
美代の方は高等小学を終ったばかり、子供にしてはもうかなり大きい方だったが、武夫が
暑中休暇で、この矢追村へ帰ってくると、幼馴染の二人は、昔にかえって、これから山の....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
で算術が嫌いになったような気がする。 その後五、六年して僕が幼年学校にいた頃、
暑中休暇に、ふと道で東京でこの先生と出っくわしたことがあった。昔と同じように口も....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
ながらその鬼火を燃やして、臆病者の通りかかるのを待っているのであった。 学校の
暑中休暇中の仕事は、勉強するのでもない、避暑旅行に出るのでもない、活動写真にゆく....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
後の新発田だけには、五つから十五までのまる十年間いた。その後も十八の時までは毎年
暑中休暇に帰省した。したがってもし故郷と言えばそこを指すのが一番適切らしい。 ....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
告りを揚げて、何の峠を越すと云うでもありません。御覧の通り、学校に勤めるもので、
暑中休暇に見物学問という処を、遣って歩行く……もっとも、帰途です。――涼しくば木....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
補に叙せられたのが、今年になって夏のはじめ、新に大審院の判事に任ぜられると直ぐに
暑中休暇になったが、暑さが厳しい年であったため、痩せるまでの煩いをしたために、院....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
と十年になるから、この天田越が、今は既に随分、好事。 さて目的は別になかった。
暑中休暇に、どこかその辺を歩行いて見よう。以前幾たびか上下したが、その後は多年|....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
署には、ほかにまだ山林属が一人、技師が一人、主事が八人とかいるそうですが、二人は
暑中休暇で半月ばかり帰省しているのと、他の三人は近村の山林の巡回に出ているのとで....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
、六の女学生らしい風俗で蝦色の袴を穿いていた。その服装と持ち物とを見れば、彼らは
暑中休暇で郷里に帰省していて、さらに再び上京するものであることは一と目に覚られた....
「五色蟹」より 著者:岡本綺堂
た。かれらは古屋為子、鮎沢元子、臼井柳子、児島亀江という東京の某女学校の生徒で、
暑中休暇を利用してこの温泉場に来て、四人が六畳と四畳半の二間を借りて殆んど自炊同....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
ですから。あるいは希望が達しられるかも知れないと思ったので。 つまり、友だちが
暑中休暇後に上京する――貧乏な大学生で――その旅費の幾分を割いて、一所に連れて出....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
一 九月の末におくれ馳せの
暑中休暇を得て、伊豆の修善寺温泉に浴し、養気館の新井方にとどまる。所作為のないま....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
領事木島孝蔵氏を訪わんと欲せしも、同館閉鎖せられ、入ることを得ず。自ら察するに、
暑中休暇にて同氏旅行不在ならんと思い、むなしく旅館に帰りしが、後に聞けば、同氏は....