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暖
「暖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
口《ざくろぐち》の内外《うちそと》は、すべてがまるで戦場のように騒々しい。そこへ
暖簾《のれん》をくぐって、商人《あきうど》が来る。物貰《ものもら》いが来る。客の....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なり伸ばした手を、鍛冶《かじ》の顔の上へさしかざしますと、見る見る中にその顔が、
暖かく血の色を盛返して、やがて苦しそうな呻《うな》り声さえ、例の泡だらけな口の中....
「河童」より 著者:芥川竜之介
僕と親しくしたのはやはりあのバッグという漁夫《りょうし》だったのです。
ある生
暖《なまあたた》かい日の暮れです。僕はこの部屋のテエブルを中に漁夫のバッグと向か....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
爺さん」は僕等の隣《となり》に両手に赤葡萄酒《あかぶどうしゅ》の杯《さかずき》を
暖め、バンドの調子に合せては絶えず頭を動かしていた。それは満足そのものと云っても....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
求馬は甚太夫喜三郎の二人と共に、父平太郎の初七日《しょなぬか》をすますと、もう
暖国の桜は散り過ぎた熊本《くまもと》の城下を後にした。
一
....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
きなカミンに火が焚《た》いてあるので、室《しつ》の中はどうかすると汗がにじむほど
暖い。そこへテエブルの上へのせた鉢植えの紅梅が時々|支那《しな》めいた匂を送って....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
ないにしろ、勝手の違う気だけは起ったはずである。
ところが三月の二十何日か、生
暖《なまあたたか》い曇天の午後のことである。保吉はその日も勤め先から四時二十分着....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
いをしていた吉田忠左衛門に、火鉢のこちらから声をかけた。
「今日《きょう》は余程
暖いようですな。」
「さようでございます。こうして居りましても、どうかすると、あ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
うもあの川を愛するのか。あのどちらかと言えば、泥濁《どろにご》りのした大川のなま
暖かい水に、限りないゆかしさを感じるのか。自分ながらも、少しく、その説明に苦しま....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
いは山沢《さんたく》に逍遥《しょうよう》し、あるいはまた精神病院|裡《り》に飽食
暖衣《ほうしょくだんい》するの幸福を得べし。然れども世界に誇るべき二千年来の家族....
「運」より 著者:芥川竜之介
らも左からも、来たかと思うと、通りぬけてしまう。その中で変らないのは、午後の日が
暖かに春を炙《あぶ》っている、狭い往来の土の色ばかりである。
その人の往来を、....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
物足りなかった。するとそこに洋食屋が一軒、片側《かたかわ》を照らした月明りに白い
暖簾《のれん》を垂らしていた。この店の噂は保吉さえも何度か聞かされた事があった。....
「初雪」より 著者:秋田滋
かな波がうち寄せて来て、ざ、ざあッとそれを洗っていた。――うらうらと晴れ亙った、
暖かい日だった。冬とは思われない陽ざしの降り濺ぐ、なまあたたかい小春日和である。....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
あって、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に
暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半円形になっ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
し、赤い実が枝もたわわになっている果樹園を見、それにかこまれたヴァン・タッセルの
暖かい家を見ていた。すると、彼の心は、やがてこの領地をうけつぐことになっている乙....