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暖地
「暖地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暖地の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
しるところに近い浅間神社のほとり、※や、榊や、藪肉桂などの常緑|濶葉樹が繁茂する
暖地から、山頂近くチズゴケやハナゴケなど、寒帯の子供なる苔類が、こびりつく地衣帯....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
雨雪を遠ざけたりしているのでも日本の気候に適応した巧妙な設計である。西洋人は東洋
暖地へ来てやっとバンガローのベランダ造りを思いついたようである。 障子というも....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いい(『爾雅』註)、諸書特にその大きさを記して四足ありと言わぬを見れば、アジアの
暖地に数種あるピゾン属の諸大蛇、また時にはその他諸蛇の甚だしく成長したのを総括し....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
州堺の、町外れというのでは無いが物静かなところである。 夕方から零ち出した雪が
暖地には稀らしくしんしんと降って、もう宵の口では無い今もまだ断れ際にはなりながら....
「インテリの感傷」より 著者:坂口安吾
うで、あれだけ広大な国土を持ちながら、広大な寒冷地帯をほッたらかして、やたらと温
暖地へ侵略南下作業を行っているばかりである。原子バクダンの研究製造などに何百億つ....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
ととなる。そして右のバセヲバのバは葉でそれは芭蕉葉の意である。 バショウは元来
暖地の産であるから寒い地方には育たないが、日本中部以南の各地には、別に何んの経済....
「寒桜の話」より 著者:牧野富太郎
る。しかし東京では寒気のためにその花弁が往々傷められがちであるが、駿州辺のような
暖地ではまことにみごとに開花する。 東京ではかの荒川堤に二、三本あって、よく花....
「カキツバタ一家言」より 著者:牧野富太郎
がえし、この杜若なる植物はアオノクマタケラン(ショウガ科に属し支那と日本とに産し
暖地に見る)であるとの創見の説を建てたが、これはけだし一番穏当な見方である。すな....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
とに寒い京都の修道院にて暮すことはどうしても許してくれません。そして冬の間はぜひ
暖地で暮らせと申します。まだ荷物はすべて一燈園にあります。私はしいても争いかねて....
「鰻の話」より 著者:北大路魯山人
ってそうだ。世間では相当のインテリでさえ、つばめの移動を「寒さからのがれるために
暖地へおもむく」と子どもたちに教えているようだが、それは少々誤りである。事実は、....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
「左伝《さでん》に平地尺に盈《みつる》を大雪と為《す》と見えたるは其《その》国
暖地なればなり。唐の韓愈《かんゆ》が雪を豊年の嘉瑞《かずい》といひしも暖国の論な....