暖流[語句情報] »
暖流
「暖流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暖流の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
の暗礁が多く、三陸沿海を南下してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上する
暖流の一支脈と正面衝突をし、猛悪な底流れと化して汐巻岬の暗礁地帯に入り、ここで無....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
ラリと並んで飛ぶように売れて行ったものだが、これは春先から対州の沿岸を洗い初める
暖流に乗って来た鰤の大群が、沿岸一面に盛り上る程、押合いヘシ合いしたために出来た....
「難船小僧」より 著者:夢野久作
ばかりした真夜中から、波濤の音が急に違って来たので眼が醒めた。アラスカ沿岸を洗う
暖流に乗り込んだのだ……と思ったのでホッとして万年|寝床の中に起上った。 同時....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
北道、図們江、沿海州、樺太、千島、オホーツク海、白令海、アリュウシャン群島に到る
暖流、寒流の温度百余個所をノート無しでスラスラと列挙し、そこに浮游する褐藻、緑藻....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
およそ本邦において肉眼をもって見られ得べき限りの最大の線であろう。されば駿河湾の
暖流|駛しるところに近い浅間神社のほとり、※や、榊や、藪肉桂などの常緑|濶葉樹が....
「日本人の自然観」より 著者:寺田寅彦
も証明されるようであるが、それと連関して、もしも対馬朝鮮の海峡をふさいでしまって
暖流が日本海に侵入するのを防いだら日本の気候に相当顕著な変化が起こるであろうとい....
「作家と時代意識」より 著者:宮本百合子
るそれ等の現象の底まで身を沈めて、日本のその時代を一貫する流のなかにあった寒流・
暖流の交錯の悲劇にまでふれようと試みたのであったと考えられる。時代への意識という....
「流線間諜」より 著者:海野十三
った!」と帆村は叫んだ。「ベーリング海峡の海水を堰きとめると、そこから南の地方が
暖流のために、俄かに温くなるのだ。いままで寒帯だった地方が温帯に化けるのだ。そこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。つまり、海の中にもまた、大きな潮流の流れがあって、その流れに寒暖の二つがある、
暖流の流れに沿うている地方は、緯度は遠くともかえってあたたかに、寒流の流れを浴び....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
いうことを伺って、きわめて具体的にいろいろ理解いたしました。何でも、世界を珍しい
暖流が一廻りしたそうで、大変あったかい。それで却って健康にわるく、世界に一種の悪....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
感動しながら雨の中を原っぱをぬけました。こういう深い、汲めどもつきぬ感じを与える
暖流は、何と宝でしょう。日光のチラチラするような、一寸|枝蔭《えだかげ》のさして....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ておいたのに、差入れられる日限が来たら雨つづきになってしまって。あの雨つづきは、
暖流異変というのだったのよ、御存じ? いつまでも
暖流が流れて来て寒流が来られない....
「歳時記新註」より 著者:寺田寅彦
助けるものである。もう一つ霧で有名なのはニューファウンドランド島の近海で、ここは
暖流と寒流の出会うために春から夏へかけては霧が深くて航海が危険である。三十七、八....