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「暖炉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暖炉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
報恩記」より 著者:芥川竜之介
すか? そんな事は心配に及びません。この高い天窓《てんまど》からでも、あの大きい暖炉《だんろ》からでも、自由自在に出て行かれます。ついてはどうか呉々《くれぐれ》....
」より 著者:芥川竜之介
を投げ出した時、一時に今まで忘れていた疲れを感じずにはいられなかった。女中は瓦斯暖炉《ガスだんろ》に火をともし、僕一人を部屋の中に残して行った。多少の蒐集癖を持....
魔術」より 著者:芥川竜之介
ざあ雨の降る晩でしたが、私は銀座のある倶楽部《くらぶ》の一室で、五六人の友人と、暖炉《だんろ》の前へ陣取りながら、気軽な雑談に耽っていました。 何しろここは東....
路上」より 著者:芥川竜之介
間《ま》へ来て見ると、果して野村《のむら》が栗原《くりはら》の娘と並んで、大きな暖炉《だんろ》の前へ佇《たたず》んでいた。血色《けっしょく》の鮮かな、眼にも眉《....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
りと開いた。何者かが、彼の本性に警報を発したからに違いない。 彼は起き上がって暖炉の前に腰を下ろすと、下紐を引いて人を呼んだ。 ガロ爺やは坊ちゃま御帰邸のよ....
蠅男」より 著者:海野十三
、書き落としてはならないものがあった。それはこの部屋にはむしろ不似合なほどの大|暖炉だった。まわりは黒と藍との斑紋もうつくしい大理石に囲われて居り、大きなマント....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
て彼は一抱えのそだを持って、この山荘風の応接室に戻って来た。しばらく使わなかった暖炉の鉄蓋をあけ、火かき棒を突込むと、酸っぱいような臭いがした。ぴしぴしとそだが....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
、しきりに私の心臓に響いた。 「あっ、これかな……」 私は、思わずそう叫んだ。暖炉の上においてある音叉をとりあげた。それは非常に振動数の高いもので、ガーンと叩....
四次元漂流」より 著者:海野十三
こんだ壁、しぶい蔦の模様の壁紙、牧場の朝を画いてあるうつくしい油絵の大きな額縁、暖炉の上の大理石の棚の上には、黄金の台の上に、奈良朝時代のものらしい木彫の観世音....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
あって、その先きに大きな講堂がある。講堂には大きい馬蹄形の机があって、その後方に暖炉や黒板があり、壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半円形になっ....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
母親が息子に担がれて帰るときは母親が酔いすぎて大概泣いている。焙き出したばかりの暖炉の前で加奈子が土の底冷えをしみじみ床を通して感じた独逸の思い出である。 ま....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
昼も見えたそうだね。渋谷の美術村は、昼は空虚だが、夜になるとこうやってみんな暖炉物語を始めているようなわけだ。其処へ目星を打って来たとは振っているね。考えて....
西航日録」より 著者:井上円了
に入る。終日曇晴、風波やや高し。二十七日快晴、暑気にわかに加わる。一昨日まで毎室暖炉を待ちしも、今日より食後、アイスクリームを呼ぶに至る。霜風凍雨の時節このこと....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
りよろこんでしまった。 「とうぶん、とめてもらうから」 客をへやに案内すると、暖炉に火をもやしてたきぎをくべ、台所でお手伝いにてつだわせて、おかみさんはせっせ....
鉄の処女」より 著者:大倉燁子
かり開いていましたので、私はじっと室内を覗き込みました。 客の帰った後で夫婦は暖炉にあたりながら、頻りに話し合っていました。が、二人の顔には云いようのない当惑....