暖簾口[語句情報] »
暖簾口
「暖簾口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暖簾口の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
鳰《にお》の浮巣をたずねに行ったが、お染の客だけは真っ直ぐに帰った。お染とお雪は
暖簾口《のれんぐち》まで送って出た。 「またのお越しをお待ち申します」と、お雪は....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
ていない。背後に奥の部屋へ通って行かれる、上がり框の障子を背負い、右手に料理場の
暖簾口を持ち、正面に外への出入り口を控えた、そういう位置へ腰を下ろしながら、一人....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
んで、余勢がざあっ! と畳を切り開いたばかり。 文次のからだはもう奥との通路の
暖簾口にあった。と、そこに、覆面の黒装束が立っている。ふところ手だ。 ぴたっ!....
「おせん」より 著者:邦枝完二
駆け込んで来た徳太郎は、髷の刷毛先に届く、背中一|杯の汚泥も忘れたように、廊下の
暖簾口で地駄ン駄踏んで、おのが合羽をむしり取っていた。 「へい、これは若旦那、お....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
いちだんと風流姿でございますぞ」 すると、他のものまで、 「あれ、妓たちが皆、
暖簾口から見ているわ」 などと、幇間をたたいた。 しかし、門下達のことばは、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
と思うから、お支度して来られるように、ついでに申してくれ」 「へい」 耕介は、
暖簾口の見える縁を通って、奥へかくれた。 小次郎は後で、 (万一、逃げないまで....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
に夜をふかして、まだねむたげな湯女たちは、しどけない寝乱れ姿で板の間の雑巾がけ、
暖簾口の水そうじ、雪をかいたあとへ盛塩を積んで、 「オオ寒い、まだ降ってるよ」 ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
が睨みつけたが、ここは野暮を嫌う色町でもあり、かたがた軒を並べているいろは茶屋の
暖簾口には、脂粉の女の目がちらほら見えるので、 「天堂」 と、一方へ顎をしゃく....