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暗
「暗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
垂れた上、シルク・ハットを仰向《あおむ》けにかぶっている。この綱や猿の後ろは深い
暗のあるばかり。
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この玩具屋のある仲店の片側。猿を....
「英雄の器」より 著者:芥川竜之介
立派に生きられる所を、死んでいるです。私が項羽を英雄の器でないとするのは、勘定に
暗かったからばかりではないです。一切を天命でごまかそうとする――それがいかんです....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
ろう》と云う同|家中《かちゅう》の侍が、西岸寺《さいがんじ》の塀外《へいそと》で
暗打ちに遇《あ》った。平太郎は知行《ちぎょう》二百石の側役《そばやく》で、算筆《....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
縛《いまし》めた後《のち》、代官の屋敷へ引き立てて行った。が、彼等はその途中も、
暗夜《やみよ》の風に吹かれながら、御降誕《ごこうたん》の祈祷を誦《じゅ》しつづけ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
きった彼の心には、ふと不快な種を蒔《ま》く事になった。これは恐らく、彼の満足が、
暗々の裡《うち》に論理と背馳《はいち》して、彼の行為とその結果のすべてとを肯定す....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、ほろほろと白い花を落すのを見た。自分は幾度となく、霧の多い十一月の夜《よ》に、
暗い水の空を寒むそうに鳴く、千鳥の声を聞いた。自分の見、自分の聞くすべてのものは....
「運」より 著者:芥川竜之介
男が一人抱きつきました。丁度、春さきの暖い晩でございましたが、生憎《あいにく》の
暗で、相手の男の顔も見えなければ、着ている物などは、猶《なお》の事わかりませぬ。....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
一 支那の上海の或町です。昼でも薄
暗い或家の二階に、人相の悪い印度人の婆さんが一人、商人らしい一人の亜米利加人と何....
「犬養君に就いて」より 著者:芥川竜之介
はない。どれも皆丹念に出来上っている。若し欠点を挙げるとすれば余り丹念すぎる為に
暗示する力を欠き易い事であろう。 それから又犬養君の作品はどれも皆柔かに美しい....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
のだ。)病弱な胃の腑は人間を駆って懐疑思想に導く。無信仰に誘う。人間の心のなかに
暗い思想や死を念う気持を胚胎させるものだ。私はそうした事実をこれまでに幾度となく....
「初雪」より 著者:秋田滋
は日の暮れがたになると、その鴉の群を眺めた。そして荒寥たる土地のうえに落ちて来る
暗澹たる夜の淋しさをひしひしと感じて、胸を緊められるような思いがするのだった。 ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
」と言うまでは勇気ありしが、この暇乞の語を出し終りたる後は胸一杯、言うべからざる
暗愁を醸し生じたり。自ら呼吸を強くし力足を踏み、町はずれまで送りし人々の影を見か....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
る。これは初めに小講堂であった室で、その先きに、昔からの実験室がある。その先きに
暗い物置があるが、これから狭い階段を登ると、場長の住む室の方へとつづいている。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
や人声を聞くこともある。近隣一帯には伝説は豊富だし、幽霊のでる場所も多いし、うす
暗い時刻につきものの迷信もあまたある。流星がとぶのも、隕石がひらめくのも、この谷....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
色が蒼然とあたりに迫っていた。夕靄が烟るように野末にたち罩め、ものの輪廓が、ほの
暗い、はるか遠方にあるように見えた。道ばたに三本立っている見あげるような樅の木ま....