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「暗々裏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暗々裏の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
て行くような薄気味の悪い零落の兆候が町全体にどことなく漂っているのだ。 人々は暗々裏にそれに脅かされている。いつどんな事がまくし上がるかもしれない――そういう....
近時政論考」より 著者:陸羯南
ども吾輩はこの新論派が著明なる形体を備えたることを見ず、ただ当時の実状を回想して暗々裏にその跡を認めたるに過ぎざるなり。いかなる人々がこの二学派の代表たりしか、....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
童自身の意志からではなくて、却って親達の意志から強制されるのだという自覚を親達は暗々裏に有っているので、この本能的な義憤は愈々劇しい形を取るのだ。親達は子供をこ....
読書法」より 著者:戸坂潤
低コスト高賃金主義には、多分の社会正義か何かのイデオロギーが含まれていて、それが暗々裏に心理的な作用を(論理的ではない作用を)営んでいるのではないだろうか。そし....
技術の哲学」より 著者:戸坂潤
として、少数の孤高な選ばれた偶発的な技術的天才者の独創によるものだということが、暗々裏に想定されているわけである。 技術が大衆のものではなく、技術家が大衆から....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
あ》き、自分が愛しておりまた恐らく愛されている、その不安定な混濁した性質の女と、暗々裏に行う闘《たたか》いに飽いていた。彼女のことをみずから欺くためになさなけれ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にして混濁せる個性を与えようとつとめた。あるいは、作者の力弱さと聴衆の無趣味とが暗々裏に一致して、いつも甘っぽい感傷で包み込んでいる、ある種の恋歌にぶつかってい....
カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
事に又先行するものの全体が個別的に区別されうる個々の関係にほごしうるということを暗々裏に予想している。それ故茲にはかの関数概念の概念にあるとすれば私が発生論理的....
孔子」より 著者:和辻哲郎
。しかるに孔子の語は常にそれらを背景に蔵い込んでおく。そうして詳細な考察の結果を暗々裏に前提としつつ、かかる問題に対して処すべき最も簡要な一点をすぱりと取り出し....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
種の示威運動的方式を以て、毎年定まった日に追却せられるということが、郷土の気風に暗々裏の影響を与えていたことは想像し得られるが、そういう中でも異なる日、または岡....