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暗君
「暗君〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗君の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原の乱」より 著者:菊池寛
総帥となった天草四郎時貞である。 当時島原一円の領主であった松倉|重次は惰弱の
暗君で、徒らに重税を縦にした。宗教上の圧迫も残虐で宗徒を温泉(雲仙嶽)の火口へ投....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
とになった。お半の方と名を改め、愛妾として囲われることになった。 宗春は断じて
暗君では無かった。英雄的の名君で、支那の皇帝に譬えたなら、玄宗皇帝とよく似ていた....
「三国志」より 著者:吉川英治
われ、父|劉焉が封を継いでいたが、その家門と国の無事に馴れて、いわゆる遊惰脆弱な
暗君だった。 「漢中の張魯が攻めてくるとか。いかがすべきぞ。ああ、どうしたらいい....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と崇顕は、いつもそうした同情につい先立たれる。 世評、ややもすれば、高時を
暗君と見、また“うつつなき人”といったりして、一族御家人までが、腹のなかでは、軽....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
尊氏には、たいがい、わかっているには違いなかった。――師直も決してこのひとを、
暗君とは思っていない。否、大いにおそれてさえいるのだが、それにせよ直義がこのひと....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
。 これまで、史上の高時は、大乱の元兇みたいに、その戦犯悪はすべて彼ひとりの“
暗君”と悪政の名にかぶせられてきた。明君でなかったことは確かだが、さりとて彼をそ....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
して末席の方を見ていた。彼はそれほど自分を主君として重く臨めない人だった。決して
暗君ではないし、地方の豪族の主人として教養もあるほうだったが、この世代に一族郎党....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
る女謁政治が、以後、どんなかたちで育ち、三人のみの秘密が愛されてきたかがわかる。
暗君、暴君は世界にも少なくないが、まだかつて、どこの国の悪政史にも見ない――生類....