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暗室
「暗室〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗室の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
十分ほどの後、新井田氏と渡瀬とは夕食をすませて、二人の間に研究室と呼びならされる
暗室のような窓のない小部屋に、四角な粗末な卓を隔てて向いあっていた。小さなラムプ....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
、木崎の部屋だった。六畳の中二畳ばかり、黒いカーテンで仕切ってこしらえた現像用の
暗室へ、カメラを置いて、蚊やり線香に火をつけていると、ドアを敲く音がした。あける....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
外に居て、私達の持って来たX線の装置を壁に添い、静かに動かして呉れ給え。此の室は
暗室にして、私が独り居ましょう。お嬢様は外へ出ていらっしゃってもよろしいし、おい....
「赤外線男」より 著者:海野十三
いよ働かせて見ます」と深山学士は立ち上った。「白丘さん。カーテンを閉めてすっかり
暗室にして呉れ給え」 「はい、畏りました」 ダリアは割合に元気に窓のところに歩....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
けやならないんだ。」 平賀軍医はそう言いながら、僕の目の検査をし直した。そして
暗室へ連れて行ったり、いろんな眼鏡をかけさして見たりして、要するに合格にしてしま....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
なきゃ、うんとあばれるんだ。あばれてあばれてあばれ抜くんだ。減食の二度や三度や、
暗室の二度や三度は、覚悟の上で、うんとあばれるんだ。そうすれば、終いにはやはり、....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
た。 「早くはいれ」机博士は背中をつかれた。 そこで室内へ足をいれた。室内は、
暗室になっていた。ただ桃色のネオン灯が数箇、室内の要所にとぼっていて、ほのかに室....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
へよびだしていただき、いろいろとめずらしい実験をお頼みしたいと思います。それでは
暗室《あんしつ》にいたします。なおいつものようにお煙草はおひかえ願います。それか....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
て紫のカーテンの金具が小さく鳴った。足音はそれっきり聞えなくなった。怪紳士はこの
暗室からでていってしまったのだった。ぞっとする寒気が再び道夫の背筋をおそった。 ....
「火星兵団」より 著者:海野十三
、丸窓のような形をした入口をくぐって、博士のそばへ近よった。
室内は暗かった。
暗室なのだ。
ただ、標示灯のあかりが、ぼんやりと機械の一部を照らしていた。それ....
「○○獣」より 著者:海野十三
の扉がひらかれ、その中に○○獣を閉じこめたセメント柱が搬びこまれた。室内は直ちに
暗室にされた。ジイジイとX線が器械から放射され、うつくしい蛍光が輝きだした。 「....
「不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
て二度目の夢の場面には、例の硝子板の向うの部屋は使わなかった。それは向うの部屋を
暗室にすることによって、硝子板を鏡と同じ作用をさせたのだ。そんなトリックはよく、....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
べきなり。 聞くのみにてはあき足らざらんか、主翁に請いて一室に行け。密閉したる
暗室内に俯向き伏したる銀杏返の、その背と、裳の動かずして、あたかもなきがらのごと....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
直に懸直し、そのまま閉ってる扉を開けて、小腰を屈めて診察所へ入った。 密閉した
暗室の前に椅子が五脚ばかり並んで、それへ掛けたのが一人、男が一人、向うの寝台の上....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
を高めてくるからだ。 日本料理は見る料理ではなくて見るに足る料理となるわけだ。
暗室で食う料理でないかぎり、盲人の食う食料でないかぎり、美を離れて存在するよき料....