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「暗流〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暗流の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
なって、二人《ふたり》は所在なげに黙ってしまった。座敷は、底のほうに気持ちの悪い暗流を潜めながら造り笑いをし合っているような不快な気分に満たされた。葉子は「さあ....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
実が彼の口を突いて出た。「それで、ダンネベルグ夫人を狂人みたいにさせた、怖ろしい暗流が判ったのだ。実は、電話でこの村の役場を調べたんだが、驚くじゃないか、あの四....
我に叛く」より 著者:宮本百合子
は自由に互に愛し合い、全く相互の意志だけで結婚したのであった。 こんな、感情の暗流は、当然真木に、一種の暗い直覚を与えていた。不愉快などという単純な言葉の約束....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
らしている……らしい事にお気が付かれましたならば、この事件の裡面に横たわっている暗流が如何に大きく、且つ、深いものがあるかを御推察になるのに充分であろうと信じま....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
からの解放という、消極的ではあるがとにかく一種の快感が伴なっていて、それが一道の暗流のように感情の底層を流れているように思われる。 うれしい事は、うれしくない....
現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
し始めたと報じられている。 これは一般大衆の意識に於ける反ファシズム的な根強い暗流なのだが、インテリゲンチャの意識も亦この動向に食いつかない筈はないわけで、左....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
地下へ滴る石油が大盲谷をつくったといわれる」 ああ、大盲谷をうねくる、石油の大暗流。いかな名画工、いかな名小説家といえど、その光景を髣髴とすることはできないだ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
止に努めてるけれど、いくら国際聯盟あたりが躍起になって騒いだって、それは単にその暗流の実在を公表するにとどまり、何ら直接|刷掃の資にはなるまい。と思われるほど、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
しと見た栄三郎、ひそかに、再び左膳と会う日近からんことを心中に祈りながら、橋下の暗流――雪の横川へとびこんで死地を脱した。 あとには左膳、仙之助の連中が声々に....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
にかかっているわけではなく、どこといってつかまえどころのない、底にうごめいている暗流のようなものであったが、忠相は、そこに、早晩何らかの形で、事件として持ち込ま....
二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
いた。露都へ行く前から露国の内政や社会の状勢については絶えず相応に研究して露国の暗流に良く通じていたが、露西亜の官民の断えざる衝突に対して当該政治家の手腕器度を....
大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
かに寄る如く、鈎※の結び目さえ、既に手元に入りたれば、船頭も心得て、玉網を擬し、暗流を見つめて、浮かば抄わんと相待つ。此方は、成るべく、彼を愕かさじと、徐々と、....