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暗渠
「暗渠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗渠の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河明り」より 著者:岡本かの子
活路を拓いて落ちるようになって、不忍池の上は藍染川の細い流れとなり、不忍池の下は
暗渠にされてしまって、永遠に河身を人の目に触れることは出来なくなった。 「大昔、....
「木魂」より 著者:夢野久作
の辺一帯を蔽うている涯てしもない雑木林の間の空地に出てから間もない処に在る小川の
暗渠の上で、殆んど干上りかかった鉄気水の流れが、枯葦の間の処々にトラホームの瞳に....
「その柵は必要か」より 著者:宮本百合子
の中に自分をらくに流してゆく溝をもっている。これに反して、新しい人間生活のために
暗渠をつくり、灌漑用水を掘り、排水路をつけて、自身の歴史をみのらしてゆこうとする....
「文学以前」より 著者:豊島与志雄
は有名である。田端の方から根津の低地をへて、不忍池に流れこむ川があり、これが今は
暗渠となって地下に隠れているが、その川水が池に注ぎこむところに、水門が設けてあり....
「白蛾」より 著者:豊島与志雄
いる谷間に、昔は、田端から不忍池へ流れる小川がありましたが、それはすっかり地下の
暗渠となっております。その他に細流の痕跡さえもありません。河の堤防などは似寄りの....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
東京とかわった後、その大溝はよほど狭められ、さらに震災後の区劃整理によって、溝は
暗渠に作りかえられ、路幅も在来の三倍以上の広い明るい道路に生れ変って、まったく昔....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
大都市は、海にむかって漏泄の道をひらいている。その大|
暗渠は、社会の穢粕と疲憊とを吸いこんでゆく。その汚水は、都市の秘密、腐敗、醜悪を....
「魔都」より 著者:久生十蘭
の幹線だが、この大伏樋から無数の分樋が縦横に走り、麹町の地下一帯は、かのパリ市の
暗渠道《エヴウ》にも劣らぬ複雑極まる大地下道を構成している。一旦その大伏樋の中へ....
「葛飾土産」より 著者:永井荷風
がい》の震災前後、街衢《がいく》の改造されるにつれて、あるいは埋められ、あるいは
暗渠となって地中に隠され、旧観を存するものは殆どないようになった。 そのころ、....
「夜の道づれ」より 著者:三好十郎
飛び出したんです。……それから、あれは、四谷見附の土手を降りたようです。その下の
暗渠のような、土管の中で、永いことしやがんでいました。……そして、一所懸命考えた....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
一軒知っていることを思出した。 古本屋の店は、山谷堀《さんやぼり》の流が地下の
暗渠《あんきょ》に接続するあたりから、大門前《おおもんまえ》日本堤橋《にほんづつ....
「ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
れば、赤沢荘三郎がこの世に再現したことになる。――完全な液体となり、粉末と化して
暗渠に流された人間が、二十年の歳月を経て、再び地上に現出する。――こうした超自然....