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暗算
「暗算〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗算の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「メリイクリスマス」より 著者:太宰治
らば、実感があるだろう。百メートルは、半丁だ。」と教えて、何だか不安で、ひそかに
暗算してみたら、百メートルは約一丁であった。しかし、私は訂正しなかった。恋愛に滑....
「泥濘」より 著者:梶井基次郎
では定期を買った。これから毎日学校へ出るとして一日往復いくらになるか電車のなかで
暗算をする。何度やってもしくじった。その度《たび》たびに買うのと同じという答えが....
「風の又三郎」より 著者:宮沢賢治
た。 そのうち三郎は向こうの玄関の前まで行ってしまうと、こっちへ向いてしばらく
暗算をするように少し首をまげて立っていました。 みんなはやはりきろきろそっちを....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
した。(たかが炭団代というても莫迦にはならんぞ!) 一月いくらになるだろうかと
暗算して、なるほど莫迦にならぬと思った途端に突如として安二郎の頭に名案が閃いた。....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
へ記入しながら、素早く引算をするらしい。私も戸外を見るような振りをして、大急ぎで
暗算を始める。例の一九〇・九二〇|瓩から深谷氏の五三・三四〇|瓩を引くと……一三....
「野狐」より 著者:田中英光
り若く言い、学校も女学校を出ているなぞいったが、例えば十二の八倍が幾つになるかの
暗算さえできなかった。彼女は貧農の娘、しかも不義の子として生れたのである。幼時、....
「カイロ団長」より 著者:宮沢賢治
るどもはよろこんだのなんのって、チェッコという算術のうまいかえるなどは、もうすぐ
暗算をはじめました。云いつけられるわれわれの目方は拾《じゅう》匁、云いつける団長....
「木魂」より 著者:夢野久作
のであった。むろん鉛筆もノートも無しに空間で考えるので、解き方がわかると、あとは
暗算で答を出すだけであったが、両親から呼ばれる気づかいは無いし、隣近所の物音も聞....
「旅愁」より 著者:横光利一
買物の際の勘定の迅さにいたっては世界一だと、東野は賞めた。中でも食堂の女ボーイの
暗算の速度と正確さは無類であった。
「しかし、そこに油断のならぬものもあるね。」....
「旅の絵」より 著者:堀辰雄
はなしに、あの頭のすこし禿《は》げかかったお人好しらしい主人が熱心に首をかしげて
暗算した合計であったので、私は例の気まぐれから大いに愉快になり、すましてその通り....
「雑記(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
やはり無意識にいじっていたのである。これはどういう訳だか分らないが、例えば盲人が
暗算をやる時に無意識に指先をふるわしているといくらか似た事かもしれない。 Z町....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ランドの苦労話やらに耳を傾けた。――じっと傾けている耳には、内心深く、電光石火の
暗算と、謀叛の有無の忖度と、片言隻句の暗示も聞き洩らすまいとする努力とが伴ってい....
「黒板は何処から来たのか」より 著者:小倉金之助
ズ。……」 また例えば第六級(二年級の前半)の算術については、 「……右ノ如ク
暗算ヲ教フルトキ、兼テ二段ノ加算ノ題ヲ塗板ニ書シ、各ノ生徒ヲシテ一列同音ニ、加算....