暗香[語句情報] »
暗香
「暗香〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暗香の前後の文節・文章を表示しています。該当する4件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
た籬の前に座して野菊と語った陶淵明や、たそがれに、西湖の梅花の間を逍遙しながら、
暗香浮動の趣に我れを忘れた林和靖のごとく、花の生まれ故郷に花をたずねる人々である....
「妖僧記」より 著者:泉鏡花
り届けし後、杉の根の外に佇みて、例の如く鼻に杖をつきて休らいたり。 時に一縷の
暗香ありて、垣の内より洩れけるにぞ法師は鼻を蠢めかして、密に裡を差覗けば、美人は....
「チチアンの死」より 著者:木下杢太郎
身を屈げて。 夜を罩めて気持のよいものの音がたゆたい、まっ黒な月桂の樹陰に、
暗香それと知られたるヘスペリスの花壇に沿うて立つファウンの大理石の手に弄ばるる笛....
「三国志」より 著者:吉川英治
るような点景に出会ったからである。 男と女だった。 ふたりは恋を語っている。
暗香疎影――ふたつの影もその中のものだし、董承の影と明暗の裡にたたずんでいるので....