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暢達
「暢達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暢達の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
――その際《きわ》どい中間《ちゅうかん》に起った心持ちである。この景色はかように
暢達《のびのび》して、かように明白で、今までの自分の情緒《じょうしょ》とは、まる....
「骨董」より 著者:幸田露伴
ざる茶碗なり茶入なり、何によらず見処のある骨董を、好きならば手にして楽しむ方が、
暢達した料簡というものだ。理屈に沈む秋のさびしさ、よりも、理屈をぬけて春のおもし....
「仇討たれ戯作」より 著者:林不忘
われながら上できだと思った。 六樹園は苦笑をふくみながらさっそく筆を下ろした。
暢達《ちょうたつ》の文人だけに運筆は疾《はや》かった。ただ難かしくなるまいなるま....
「現代の主題」より 著者:宮本百合子
僂《くる》病が人間性の上にのこされているうちに、まだわたしたちの精神が十分強壮、
暢達なものと恢復しきらないうちに、その歪みを正常化するような社会事情を準備し、客....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
が排撃を声明した所謂自由主義とはこのアナロジーに他ならなかったわけで、従って民意
暢達などということが日本では如何にアナロジーに過ぎないかを証明したものだったので....
「梅花の気品」より 著者:豊島与志雄
を取り来った、一種恒久的なものである。古さから来る拮屈傲峨と、新しさから来る自由
暢達と、両者を具有してしっくりと落付いたものである。 この落付きはまた、梅花の....
「傍人の言」より 著者:豊島与志雄
物でもない。光や色のことではなく、ヴォリュームのことを考えてる時には、人はもっと
暢達たる風貌になるものだ。 然し、余り素朴的にのんびりしていたのでは、結局凡俗....
「十日の菊」より 著者:永井荷風
ものを見るに無罫《むけい》の半紙《はんし》に毛筆をもって楷行を交えたる書体、清勁
暢達《せいけいちょうたつ》、直にその文を思わしむるものがあった。 わたしはしば....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
あります。もちろん、そのためには強烈無比、高潔至極の大生命の光照を享け、その自由
暢達な働きによって自己の全能率を総動員して行くのでありますが、この妙用はまた自己....