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暮し
「暮し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暮しの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
玄鶴はこの褌を便りに、――この褌に縊《くび》れ死ぬことを便りにやっと短い半日を
暮した。しかし床の上に起き直ることさえ人手を借りなければならぬ彼には容易にその機....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ないぐらいでございましょうが、何分二十年も以前の事で、十分とは参りませんまでも、
暮しに不自由はございませんでしたから、同僚の中でも私などは、どちらかと申すと羨望....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
かは全然知らない。しかし若槻の書斎へはいると、芸術的とか何とかいうのは、こういう
暮しだろうという気がするんだ。まず床《とこ》の間《ま》にはいつ行っても、古い懸物....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
の近くの邸宅に、気の利《き》いた西洋風の書斎を新築して、かなり贅沢《ぜいたく》な
暮しをしていました。
「私はこう云っている中にも、向うの銅板画の一枚を見るように....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
口を利《き》かず、大抵《たいてい》は茶の間《ま》にたった一人、鉄瓶のたぎりを聞き
暮していた。
するとそこへ移ってから、まだ一週間も経たないある夜、もうどこかで....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
夫婦と一しょに、牛を追ったり麦を刈ったり、幸福にその日を送っていた。勿論そう云う
暮しの中にも、村人の目に立たない限りは、断食や祈祷《きとう》も怠った事はない。お....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
日のように、あの川を見た。水と船と橋と砂洲《すなず》と、水の上に生まれて水の上に
暮しているあわただしい人々の生活とを見た。真夏の日の午《ひる》すぎ、やけた砂を踏....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
楽に小説くらいは見る、色の浅黒い好男子なのです。新婚の二人は幸福に山の手の邸宅に
暮している。一しょに音楽会へ出かけることもある。銀座通りを散歩することもある。…....
「運」より 著者:芥川竜之介
の女もたった一人のおふくろに死別《しにわか》れた後で、それこそ日々《にちにち》の
暮しにも差支えるような身の上でございましたから、そう云う願《がん》をかけたのも、....
「初雪」より 著者:秋田滋
ここが好くって好くって、仕様がなくなっちまうから――。だって、この僕が永年ここで
暮していて、ついぞ退屈したなんてことが無いんだからね」 その日は暇さえあると二....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ス町に移り、その翌年にジェームスは死んだ。後家さんのマーガレットは下宿人を置いて
暮しを立てておったが、年老いてからは子供のミケルに仕送りをしてもらい、一八三八年....
「寡婦」より 著者:秋田滋
に先立たれた叔母は、その子供を連れて、ペルティヨンの領地にあった私の父の家へ来て
暮しておりました。私はその頃十七でした。 この少年サンテーズが、どんなに驚くべ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
はり、そのころと同じ樹木が茂っており、同じひとびとがその奥まったところにのんびり
暮しているのではないかと思う。 この自然界の片隅に、アメリカの歴史がはじまった....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
その家に住んでいた。土地の百姓のむすめを妻に迎えると、この男は車大工を稼業にして
暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯をもってしばらくた....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
れまで太郎右衛門の家はただ正直だというだけで、村では一番貧乏で、一番馬鹿にされて
暮した家でしたが、子供を拾ってからは大変|賑やかな幸福な家になってしまいました。....