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暮す
「暮す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暮すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
かさだった。毎日午前だけ講演に行った私は、午後と夜とをこの座敷で、はなはだ泰平に
暮す事が出来た。が、同時にまた、参考書と着換えとを入れた鞄のほかに何一つない私自....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
い》い所があったら、早速《さっそく》引越してしまおうじゃないか? そうして陽気に
暮すんだね、――何、もう十日も経《た》ちさえすりゃ、おれは役人をやめてしまうんだ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
々佐藤の妻と彼れとの関係が、人々の噂《うわさ》に上るようになった。
一日働き
暮すとさすが労働に慣れ切った農民たちも、眼の廻るようなこの期節の忙しさに疲れ果て....
「美術曲芸しん粉細工」より 著者:阿部徳蔵
をしなければならないといふ身の上ではなかつたが、ねが働きものゝ彼としては、遊んで
暮すといふことの方が辛かつた。その時、ふと思ひついたのはしん粉細工だつた。 『面....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
なくいては、やっぱり不仕合せですからねイ。またよしあそこを出たにしろ、別に面白く
暮す工夫がつけば、仕合せは同じでありませんか。それでもあの家にいさえすればわたし....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
いが知事か書記官の居る所で、しかも荒物屋の婆さんや近所の日傭取にばかり口を利いて
暮すもんだからいつの間にか奮発気がなくなって、引込思案になる所へ、目の煩を持込ん....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、この閑寂な景色の中に取り残されました。 たった一人で、そんな山奥の瀑壺の辺に
暮すことになって、さびしくはなかったかと仰っしゃるか……。ちっともさびしいだの、....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
誰でも嫁に入ったむすめは、まだ当主にならないうちは、夏の間たいていは里方に行って
暮すのである。その時分わたしの祖母はまだ達者であったが、母もいくらか家事の手伝い....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かにおったらばと切に思い出す。こうして世の中を走り廻るにつけて、私はおん身と共に
暮すことの幸福を、いよいよ深く感ずるばかりである。」 ファラデーは諸方からもら....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
中の騒がしさから逃れ、わずらわしいことばかり多かった人生の余暇を静かに夢みながら
暮すことができる隠居所をもとめるならば、この小さな渓谷にまさるところは知らない。....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
。とうとう、彼等はある大きなアパートの、それも屋根裏のむさくるしい部屋で、三人で
暮すようになった。その家はもう巴里も場末の、そのまた外れにあって、野ッ原のそばに....
「花筐と岩倉村」より 著者:上村松園
わしいと思うが」 と、教えてくれる人もあったので、わたくしは幾日かを狂人相手に
暮すべく、ある日岩倉村へ出かけて行った。 狂人というものは、静かに坐っていたり....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
の下には、子なき親、夫なき妻、乳のない嬰児、盲目の媼、継母、寄合身上で女ばかりで
暮すなど、哀に果敢ない老若男女が、見る夢も覚めた思いも、大方この日が照る世の中の....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ほんにね、お産の苦みと、十月の悩みと、死んで行くものの介抱と、お葬式の涙ばかりで
暮すぞね。……ほんにね、北海道に十六年居る間でも、一人を負ぶして、二人の手を曳い....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
まみれて働くのは不満ではないが、輝かしい成功を夢見る自分がこんなところに埋もれて
暮すのはたいへんな道草を食っているような気がし始めたのである。 出入りの廃品回....