暮れる[語句情報] »
暮れる
「暮れる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暮れるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
沙金に会えるという、当てもない。
「ままよ。羅生門《らしょうもん》へ行って、日の
暮れるのでも待とう。」
彼のこの決心には、もちろん、いくぶん沙金に会えるという....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
愛惜も抱かなかったものである。
すると大学を卒業した年の秋――と云っても、日が
暮れると、しばしば深い靄《もや》が下りる、十二月の初旬近くで、並木の柳や鈴懸《す....
「たね子の憂鬱」より 著者:芥川竜之介
う》の神経の震《ふる》えるのを感じた。ましてナイフを落した時には途方《とほう》に
暮れるよりほかはなかった。けれども晩餐《ばんさん》は幸いにも徐《おもむ》ろに最後....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、あたりが暗くなるのを待ちながら、銚子も二三本空にしました。そうして日がとっぷり
暮れると同時に、またそこを飛び出して、酒臭い息を吐きながら、夏外套の袖を後へ刎《....
「或る女」より 著者:有島武郎
た。
「一本一本お手紙を取りに行ったり帰ったりしたんじゃ日が暮れますわ。……日が
暮れるといえばもう暗くなったわ。貞《さあ》ちゃんはまた何をしているだろう……あな....
「星座」より 著者:有島武郎
とがあったらどうしようと思うとおぬいはいつでも動悸《どうき》がとまるほどに途方に
暮れるのだが、そのみじめさが切りこむように夢の中で逼《せま》ってきた。それからそ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たのである。 宵闇 四十 同、日曜の夜の事で。 日が
暮れると、早瀬は玄関へ出て、框に腰を掛けて、土間の下駄を引掛けたなり、洋燈を背後....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
は、唐黍の毛の尻尾を下げたり、あけびを口に啣えたり、茄子提灯で闇路を辿って、日が
暮れるまでうろつきますわの。 気になるのは小石を合せて、手ん手に四ツ竹を鳴らす....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
を、裳はらはらでお君が潜って。 さてこの額堂へ入って、一息ついたのである。 「
暮れるには間があるだろうが、暗くなったもんだから、ここを一番と威すんだ。悪い梟さ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
』めっきり小鬢に白いものが混るようになった父は、そんな事を申して何やら深い思案に
暮れるのでした。大方内心では私の事を今からでも鎌倉に連れ戻りたかったのでございま....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
んで行く。その間彼のあわれなる妻子は、飢えたる腹をかかへて、言い知れぬ悲嘆の泪に
暮れるばかり、守護の天使とても、境涯の懸隔は、これを如何ともするに由なく、ただ空....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
で、ぼんやりして、ぼッとして、ほんとうに少し馬鹿になったような気がしいしい、日が
暮れると帰り帰りした。で、とても鳥屋には居ないものとあきらめたが、どうしても見た....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
と靡いた霞の中に、まるで爪の痕かと思う程、かすかに白く浮んでいるのです。 「日は
暮れるし、腹は減るし、その上もうどこへ行っても、泊めてくれる所はなさそうだし――....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
気にしていた。茶店の前には花のさいた梅に、西日の光が消えかかっている。「もう日が
暮れる」――彼はそう考えると、ぼんやり腰かけてもいられなかった。トロッコの車輪を....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
あるに相違ないと思いましたからね、思い切って聞いて試ようと、さあ、事が極ると日の
暮れるのが待遠いよう。」 「婦人二人は、また日が
暮れると泊りに来ました、いい工合....