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暮れ六つ
「暮れ六つ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暮れ六つの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
蓋におおって、間道を今度こそは板橋口へ一刻を争うように足を早めました。坂東太郎を
暮れ六つに渡って、浦和へ宿をとったのが、もうとっぷりと春の夜もふけた五ツ過ぎ。―....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
してしんぜようが、いま仙次の野郎は在宅でござるか」 「今は不在でござりまするが、
暮れ六つまえには帰ると申しましたので、おっつけもうそのころでござります」 「さよ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
番士の備えがあって、この内濠だけが百二十人、十隊に分かれて日に三度ずつ、すなわち
暮れ六つに一回、深夜に一回、夜あけに一回。騎馬、ぶっさき羽織、陣笠《じんがさ》姿....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
妹につき添って四谷まで行ったものか、なかなか姿を見せませんでしたが、かれこれもう
暮れ六つ近いころに、ようやく待たれた伝六が大景気でかえってまいりました。見るから....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
5 かかるうちにも迫りきたったるは、十七夜の夕月のいまに空をいろどらんとした
暮れ六つ下がりです。例のごとくの落とし差しで、伝六に龕燈《がんどう》を一つ用意さ....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
人、奥の広い座敷で酒宴を催すことになりました。 呼ばれた四人は近所の人たちで、
暮れ六つごろにみな集まって来ました。お膳を据える前に、まずお茶やお菓子を出して、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
子や孫たちにとりまかれながら七十一歳の生涯をその病床に終わった。それは八月四日、
暮れ六つ時のことであった。 その夜のうちに、吉左衛門の遺骸は裏二階から母屋の奥....
「西瓜」より 著者:岡本綺堂
が流れ寄ったという記事から想像すると、それは享保十九年の出来事であるらしい。日も
暮れ六つに近い頃に、ひとりの中間体の若い男が風呂敷づつみを抱えて、下谷御徒町辺を....
「妖婆」より 著者:岡本綺堂
か知らないが、麹町通りの或る酒屋へ毎夕ひとりの老婆が一合の酒を買いに来る。時刻は
暮れ六つの鐘のきこえるのを合図に、雨の夕も風の日もかならず欠かさずに買いに来るの....
「経帷子の秘密」より 著者:岡本綺堂
れじゃあわたしも一緒に行くが、いいかえ。」 その日も朝から細雨が降っていたが、
暮れ六つごろからやんだ。店口は人出入りが多いので、お峰親子は裏木戸から抜け出すと....
「乳を刺す」より 著者:邦枝完二
った。 「では旦那。そいつは、いつもかかっていたんですね」 「左様でございます。
暮れ六つになりますと、必ずかけることになって居りまして、昨夕方も、わたくしが見回....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
の言葉を挾んだ。この家の主人《あるじ》は杵屋助三郎という長唄の師匠だが、一昨日の
暮れ六つに近所へ留守を頼んだまま女房のお銀と甲府在の親元へ遊びに行って不在であっ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
顔を見せたということは、さっき女中の話でもわかっていたが、それが、正午前から来て
暮れ六つまで居間で主人と話し込み、迫る夕闇に驚いてそこそこに座を立ったというのが....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
大路を行く人に、しばし足を留めさせる、四月も十指を余すに近いある日のことだった。
暮れ六つから泣き出した空は、夢中で烏鷺《うろ》を戦わしている両人には容赦《ようし....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
さんのことでお組長屋前の親類まで行ってくるが空が怪しいから足駄だけ出せと言って、
暮れ六つ打つと間もなくお出かけになりました。」 「そうそう、婆さまの生死《いきじ....