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暮山
「暮山〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
暮山の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
は、夕の紫の山をいちばん愛した。 翁が、草の茵《しとね》に座って、しずかにその
暮山を眺めやるとき、山のむらさきから、事実、ほのかで甘く、人に懐き寄る菫の花の匂....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
野から東|多武峰初瀬の山々は、大和平原をぐるりと囲んで、蒼々と暮れつゝある。此|
暮山の屏風に包まれた大和の国原には、夕けぶり立つ紫の村、黄ばんだ田、明るい川の流....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
けだし、風光の明媚にしてかつ清雅なるは、スイス中第一位にあり。野吟一首を得たり。
暮山已被。 (日暮れの山はすでに紫煙のうちにうもれ、一つのみどりなす湖の光は両岸....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
ども、観念の床には妄想の化の立そい、称名のおん声だに、煩悩の息とのみ聞えたもう。
暮山の雲をながむれば、君が花釵かと心も憂く、閑窓の月にうそぶけば、玉顔われに笑み....
「三国志」より 著者:吉川英治
于禁などの幕将まで負傷している。無数の輜重は敵地へ捨ててきた。――ああ。仰げば、
暮山すでに晦く陽はかげろうとしている。 「あっ、何者か来る」 「味方の早打ちだ」....