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「暮雲〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

暮雲の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
。西東《にしひがし》長短の袂《たもと》を分かって、離愁《りしゅう》を鎖《とざ》す暮雲《ぼうん》に相思《そうし》の関《かん》を塞《せ》かれては、逢《あ》う事の疎《....
田舎教師」より 著者:田山花袋
日付と時刻とその時々に起こったさまざまの雲の状態と色彩と、時につれて変化して行く暮雲のさまとがだんだんくわしく記された。 「平原の雲の研究」という文をかれは書き....
岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
白へこう云った。 十歳の李白は声に応じて云った。 「焔ハ紅日ニ隨ツテ遠ク、煙ハ暮雲ヲ逐ツテ飛ブ」 県令は苦々しい顔をした。それは自分よりも旨いからであった。....
環礁」より 著者:中島敦
》として隠見する翠《みどり》の山々などは、確かに東洋の絵だ。一汀煙雨杏花寒とか、暮雲巻雨山娟娟とか、そんな讃がついていても一向に不自然に思われない・純然たる水墨....
放水路」より 著者:永井荷風
《ガス》タンクと共に、今しも燦爛《さんらん》として燃え立つ夕陽の空高く、怪異なる暮雲を背景にして、見渡す薄暮の全景に悲壮の気味を帯びさせている。夕陽は堤防の上下....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
日、晴れ。午後五時解纜す。崎陽三十六湾、春色を装ってわが行を送る。たちまちにして暮雲雨をはらし、鎮西の諸山煙裏に埋没し、また本邦の山河を望むを得ず。 崎陽三十六....